たんたん、とことこ。 忍者ブログ

傾向
管理人の嗜好の傾向。
[CP]
・主人公は基本右。
・リバは基本的にナシ。
・公式イケメンは基本左。
・受けキャラ至上主義。
・受けキャラがいればあとはなんでもいい。
・かっこいくてもかわいい。
・かわいくてもかっこいい。
・お兄ちゃん/ギャップ萌え属性
・女の子/NLCPもすき。
-----------------------------------
・テニス(幸村くん中心)
 仁幸(仁)、282、白幸、柳幸
 跡幸など幸村右と、リョマ右も
・イナイレ(円堂さん右)
 ブレイク、海外、バンガゼ
 円春・ウル円
・FF7(クラウド右)
 セフィクラ至上
・ハルヒ(キョン右)
 古キョン、会キョン
 キョン長

[dream]
・男主and女主
・恋愛≦仲間・友情
-----------------------------------
(ただ今の萌え)
・片倉小十郎(BSR)
 伊達正宗(BSR)
 松永久秀(BSR)
・幸村精市(TNS)
 白石蔵ノ介(TNS)
・クロロ(H×H)
なんか趣味がばれる…
夢は読むのと書くのではジャンルに差異あり
dream menu
[Dream Menu]
メモ段階のようなものなので、いずれも名前変換に未対応。
一定以上溜まったらなんとかするかと…今は未定。
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※BASARA作品について※
1、2英雄外伝、3宴のみプレイ済
他はプレイ予定ありません。3キャラは出る場合が無きにしも非ず、ですが3のストーリーに関することは無視する可能性高いです。武将について――特に伊達家については様々捏造しておりますので、史実が好き、捏造嫌いな方は読まずにお帰り下さい。
ちなみにアニメも映画も未視聴。基本的に英雄外伝のみで稼働してます。
※テニス作品について※
資料は20.5/40.5巻のみ、知識穴だらけです。
妄想や捏造、原作との相違をスルーできない方は閲覧をお控えください。

各話タイトルオンマウスで説明有
■男主人公
・戦国BASARA
「双竜と鳳雛」
[成長編] 01/02/03/04/05/…
[幼少編] 01/02/03/04(sss)/…
[番外編・梟と鳳雛] 01/…
・Hunter×Hunter
「愛本家と蜘蛛」
01/02/03/…
・One Piece
「夕暮」
01/…
・Whithle!
「青風」
01/…
・Lucky Dog 1
「黒猫ちゃん」
01/02/…

■女主人公
・戦国BASARA
「お嫁様」
「愛姫」
01/…
「家族シリーズ」
さみしがりな君へ5のお題(幼少期)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
夜露に濡れた仔猫(元就)
怖がらないで、甘えてごらん(佐助)
放っておけない(政宗)
躊躇いは捨てろ(小十郎)
いつでも近くにいるよ(幸村)
・The Prince of Tennis
「青い道」
01/1.5/02/03/04/4.5/05/5.5/06/
6.5/07/08/09/10/…
「立海大家族!」
設定とsss/病気の話/…
「学校の怪談」
01/
「チェリー」
01/…
「彼と彼と彼女の話」
01/02/…
「たまごの中の愛の色(仮題)」
01/02/03/04/05/06/6.5/07/…

■短編(男女混合/オンマウスで説明)
・戦国BASARA
戦国時代10題
[配布元:沈黙夜宮(ttp://karis.obihimo.com/c/)]
血生臭い夕焼けの戦場を駆けて行く
可憐なる姫よ、戦に出でよ
我が屍の先に天下があるのならば、越えて行け
華の武将に影の忍
・The Prince of Tennis
たったひとつのその椅子に、
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「そろそろ、機嫌を直してくれないか」
[オムニバス形式短編集]
もういい加減


その他メモ記事
Title/お嫁様メモ/夢設定/双竜ネタメモ/OPメモ
CP story
[CP story Menu]
CP要素のあるSSはこちら。
基本的に男×男のCPしかありません。
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※テニス作品について※
資料が20.5/40.5巻のみなので、原作と相違する点が多々あるかと思いますが、それをご了承いただける方のみご覧ください。
捏造や妄想が苦手な方には全く向いておりません。

タイトルオンマウスで簡単に説明
■The Prince of Tennis
・幸村くんと仁王(仁幸仁)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
即物的恋愛十題
「珍獣の飼い方10の基本」
まずはかわいがってきにいってもらいましょう
とてもきちょうで、めったにてにはいりません
かわったものにきょうみをもちます
だっそうにきをつけましょう
さびしがらせてはいけません
かまいすぎるのはあまりよくありません
おこらせるとおもわぬはんげきをうけます
かいぬしのへんかにびんかんです
きほんてきにマイペースです
ていきてきにけづくろいをしてあげましょう
・幸村くんとみんな
「果てなき世界と果てなき僕ら」
支部連絡会編
01/02/03/…

[短編]
・幸村くんと仁王(仁幸二)
[title by Discolo(ttp://discolo.tuzikaze.com/)]
この手には微かでも確かな温もり
・他幸村くん受けとか
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「僕がいなきゃ駄目だって、気にさせるんですよ」


■涼宮ハルヒ[凍結]
・古キョン
スレてる3年前古泉と現代キョンくん 01/02
エイプリルフール
さくらんぼのへた
りんご飴 01/02/03
安眠と羊?
父と子 01/02
きょうだい
プレゼント
他お蔵入り1
女性向けブログサイトです。(詳細はABOUTにて)
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2017/09/24 (Sun)
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2012/03/07 (Wed)
キャラの誕生日をお祝いするのが久しぶりだなって思って、そういえばここのとこずっと誕生日ないキャラばっかりだったなと思い至った
ばさらキャラについては不問

なんかどんどんしっかりテニスに浸ってきてます
幸村くんと仁王と白石くんが好き
CPもしてる…
絵はまだ描いてないけど…時間の問題…
仁幸仁とかリョ幸リョとか、リバでも幸村くんならカッコイイし男前だし読めるなって思って、こりゃやべえってなってるこわい
ちなみに幸村くんうけとリョーマうけです
リョーマうけは中学くらいに取った杵柄
あのころは…すっごくイイ千石×リョーマとか読んでしあわせだった記憶が
そう思うとおれはもうしっかり貴腐人だな
しかし、幸村くんはまたちょっと好みのタイプの謎を深めた…
お兄ちゃん系包容力高い系だったからな、これまで…幸村君はちょっと違うか…
でもそもそも天才とか好きだし
幸村くんの性格があたしのなかで確定してなさすぎて困るけど、でも、無邪気なのもあくどいのも男前なのも中学生男子なのも天然なのもわりとなんでも好きだ
根本的に重責のある強い人の弱いところにめちゃくちゃ弱いしなああたし

あんまり書くとひどくなるからやーめた
続きはテニスのつづきもの





*テニス続き











さてさて。
学生の本分、避けられない定期テストの時期がやってきた。
あたしにとって四天宝寺では初めてのテストだ。
と言ったって別に何という感慨があるわけでもなく。
テスト期間中の二日間とその前一週間は部活動禁止が言い渡されていて、他の学校とはちょっと違うところのある四天宝寺においてもその辺は同じで少しがっかりした。
まあ、お笑いをこよなく愛している割に(という言い方は失礼なんだけど)、文武両道を掲げているんだから当然と言えば当然か。
勉強をすること自体は別に隙でもないけど嫌いでもない。
ただ、とにかくテニスができないのが苦痛でたまらない。
なんて言っていても部活ができるわけでもないので、あたしは大人しく図書室へと足を向ける。
日の高いうちに家に帰るとどうしたってテニスがしたくなるのを自分でわかっているために、部活動停止中はHRが終われば図書室に向かうことを決めていた。
テニスを理由に勉学をおろそかにするなどけしからん!と息巻いていた幼なじみを思い出すと、その足も速くなるってものだ。
やるよ、ちゃんと。
王者たるもの、常に文武両道、だもんね。
届かない言葉を心の中で呟いて、しっかりと閉じられている図書室の扉を押し開けた。
しん、とした空気と本の臭いが自然と心を穏やかにさせてくれるようで、あたしは割と図書室という空間を気に入っていた。
靴音が鳴らないようにと絨毯になっている床を静かに歩いて、さて、どこに座ろうかなと視線を巡らせると、見知った顔と目があった。
その人は貸し出しのカウンターの向こう側でじっとあたしを見ていた。

「…おやっ、財前君。もしかして図書委員?」
「…紅槻先輩。もしかしなくともそっすわ。…勉強、ですか?」

椅子にもたれて本を読んでいたのか、読みかけのそれをそのままに、財前君はあたしに小さく頭を下げた。
あの試合のあと、財前君は正式にテニス部に入部した。
それも、仮入部をすっ飛ばしてのいきなりの本入部だ。
相変わらずの不愛想であたしの手元にあるテキストやノートを見とめると、僅かばかり、意外そうに目を眇めた。
…意外そうって、失礼だぞ、こら。

「そーう。テニスを理由に勉学を疎かになんてできませんからねっ!」

へへん、と弦一郎のセリフを借りた身でありながらも胸を張ってみせれば、財前君は殊更疑わしそうに見てくる。
うぐ、これはあたしのセリフだって全く信じていない目だ。
しばらくそうして見つめ合って、折れたのはあたしの方だった。

「…と、幼なじみが口うるさかったのよ。ゲンコ飛んでくるし」
「やと思いましたわ。先輩は勉強なんかおっぽり出してテニスしはるタイプやないすか」
「…よぉくおわかりで、財前君…」

がっくりとうなだれて、あたしはたった数か月一緒に部活しただけの後輩に見透かされている己を嘆いた。
白石君にもすぐに性格ばれたし、あたしってば、あたしが思う以上に相当わかりやすいのかもしれない。

「むしろ隠せてるとか思えてたら逆にスゴイっすわ」
「そんなにか…」
「それより先輩、待ち合わせですか?」
「うん?」
「さっき、他の先輩らも来はりましたけど」

落ち込むあたしをよそに、興味なさ気に振られた言葉に思わず首を傾げる。
財前君があたしにわざわざそう聞くということは、テニス部の面々でも来ているということだろうか。

「いんや?あたしは個人的に。…でもそっか、じゃあ使おう」

勉強はひとりでやってもいいけれど、あたしはどっちかと言えば人とやる方が集中もできるし勉強になるタイプだ。
ここはひとつ、使わせてもらおうではないか。
どのへん?と聞けば、財前君は呆れながらも彼らが居る場所を教えてくれた。
市立や県立の図書館とは違って個室や防音スペースのない図書室の一角、さやさやと囁き声が聞こえてくるあたりを見れば、案の定そこには見慣れた顔ぶれが座っていた。
6人がけのテーブルを占領して座っているのは、一氏君、小春ちゃん(と呼べとお願いし倒された)、忍足君と白石君だった。
そういえばHRが終わってから席を立つのは見ていた気がするけど、ここに来る予定になっていたってことか。
見た感じ、一氏くんに小春ちゃんが、忍足君に白石君が勉強を教えているようで、教師役のふたりはあんまり自分の勉強は進んでいないようだった。
静かに彼らに近づいていくと、気配に気づいたのか、入口側の正面に座っている白石君が顔を上げた。

「お?紅槻さん?紅槻さんも勉強か?」
「そ。…混ざってもいい?」
「おん。…せやけど、こいつらうっさいで」
「その方が逆に集中できるからいーよ、気にしない」

せやったら、と快く承諾してくれた白石君の前に座る忍足君の隣へそのまま座れば、忍足君が顔を上げてあたしに軽く声をかけた。
その声で一氏君と小春ちゃんもあたしに気付いたのか、口々に軽く挨拶してくれるのに返しつつ、あたしは興味本位で忍足君のノートを覗き込む。

「…おお?忍足君、頭悪そうに見えるけど意外と勉強できるんだ」

率直な感想がついつい口からこぼれ出て、あ、と思う前に忍足君の頭がテーブルに突っ込み、白石君は噴きだしそうになるのをこらえるように横を向き、小春ちゃんは盛大に笑って、一氏君は馬鹿にしたように忍足君を笑った。
いや、だって、忍足君馬鹿そうに見えるんだもん。

「紅槻っ…!おま、俺をなんやと思てんねん!」
「え、浪速のスピードスターでしょ?」
「せや!…ってちゃうわ!!」
「落ち着きぃ、謙也。財前、めっちゃ睨んでんで」

言われて白石君の指す方を見れば、隠すこともなく迷惑そうに財前君がこっちを見ていた。
そうそう、ここは図書室なんだから静かにしないとね。

「お前が言うなや…諸悪の根源やろ」
「人聞きわるなあ。そんなこと言ったら、頭悪そうに見える忍足君こそ諸悪の根源じゃんか」
「あはは!名保ちゃん言うわねえ!」

今度は声を潜めてこそこそと話をつづけながら、あたしは自分のテキストとノートを開く。
中間テストは5教科のみだから、範囲も種類も少なくて済むとはいえ、苦手教科がどうしても出てくるから侮れない。
あたしの穴は数学と英語だ。
何もしなくてもそれなりにとれる国語と、暗記するだけの社会、結構好きな教科の理科はいいけれど、応用問題が壊滅的な数学とそもそもなんで覚えなくちゃならないんだと逆ギレしたくなる英語については、みっちりやらないと危ない。
赤点を取れば補習と再テストで放課後がつぶれるのは目に見えているからこそ、死ぬ気で赤点だけは回避しないといけない。
あたしが数学のノートを取り出したのを目に留めた白石君が、小春ちゃんを軽く指さした。

「数学やったら小春が得意やで」
「え!じゃあわかんないとこ出たら教えてもらっていい?」
「お安い御用よ~」

白石君の言葉に飛びついたあたしに、小春ちゃんはパチンとウインクまで飛ばして快諾してくれた。
それにあたしも笑顔でありがとう、と返してから、ようやくノートを向き合った。
それからはしばらく、みんなで黙々と勉強を続けた。
白石君と小春ちゃんの説明にあたしも時々聞き側で参加してみたり、忍足君に教える側に回ってみたりと、前までならば聞き役でしかなかったあたしには新鮮な体験もできて、勉強してるのに結構楽しかった。
それに、いつもはうるさいくらい賑やかしいメンバーが静かなのも新鮮で、なのにどこか落ち着くような気がして、ひどく有意義な心地で時間が過ぎて行った。
ふと集中の切れ目に時計を見れば午後6時を指していて、そう思えば窓から差し込む光も大分オレンジ色に染まっていた。
テスト期間中は下校時間も短くなっているため、そろそろ帰らなきゃな、と思ったところで、カウンターから財前君が歩いてくるのが見えた。

「もう閉館なんで、出てくれはりますか?」

気だるそうな様子はいつも通りだけど、どこかいつもよりも目がとろんとしているところを見ると、どうやら財前君は居眠りをしていたようだが、確認をするのはやめておいた。
その代わり、名案が浮かんだとばかりに話しかけた。

「そうだ。明日からは財前君も一緒に勉強しよう」
「は?…何言うてはるんですか。俺、図書委員やから仕事せなアカンのですけど」
「えええ、暇じゃんか。もったいないよ、時間。ね、白石君も無駄な時間だと思わない?」

途端、財前君の顔が嫌そうに歪んだ。
白石君が“無駄”嫌いなことは、部員一同すでに心得ていることだったから、あたしの言い方で白石君があたしの援護をするだろうところまで予想がついたからに違いない。

「せやなあ。見た限り、誰も本借りに来ぃひんみたいやし、今なら先輩らが勉強見たれるしなあ。ぼんやりと放課後の貴重な時間を過ごすんは確かに無駄や」
「だよねえ!ね、どうせ勉強はしないといけないわけだし。やろうやろう」
「勉強ぐらいうち帰ってからひとりでしてますよ。先輩らうるさそうですやん」
「財前君財前君、使えるものはなんでも使っていかないと」

ホラ、この先輩たち頭いいみたいだしさ、と主に教師役だった小春ちゃんと白石君を指させば、小春ちゃんは財前君にウインクを飛ばしてアピールした。
悪いとは言わないけどそれ、財前君には逆効果だと思うよ、言わないけど。
小春ちゃんのウインクに嫌そうな顔をしながらも、財前君は彼にしてみればとっても前向きな「考えときますわ」というセリフを残して、カウンターに戻っていった。
そんな背中がなんだか可愛くて、あたしはにっこり笑って見送った。
試合をしたからか、先輩相手でも臆さない彼の性格故にか、新しく入部してきた一年生たちの中で、財前君とは一番よく話す。
それがなんだか不思議でくすぐったくて、中学生活で初めての後輩ということが嬉しくて、あたしはついつい財前君を猫かわいがりしてしまう。
テニスのセンスがあるのも多大な影響を及ぼしていることは否定できないけど。
とにかく、白石君にまで財前君を気に入っていることを指摘されるくらい可愛がっている後輩だ。
…本人には時々本気で嫌がられるけれども。
あたしたちはいそいそと荷物をまとめ、いったん教室にカバンを取りに戻ってから、昇降口でもう一度合流して帰途についた。
財前君は委員会の締めがあるために、図書室を出る時点ですでに挨拶を済ませている。
前に一氏君と小春ちゃん、その後ろをあたしと忍足君と白石君が並んで歩く。

「テニスバッグがないと、なんかこう、忘れ物してるような気分になる…」

部活動停止中なので、いつも持ち歩いているテニスバッグはもちろん自宅待機だ。
いつもほどよく負荷がかかっていた右肩がなんとも寂しい気がして、いつもよりも重し付きのリストバンドを多めにつけてみているけれど埋められやしない。
落ち着かないあたしに、忍足君が呆れたように笑った。

「自分、ホンマテニス馬鹿やなぁ」
「…そうですテニス馬鹿ですよー。あー!テニスしたいっ!!ストリートででも打って帰ろうかなぁ…あ、ラケットねぇ…」
「否定すらせんのんかい!」

勢いで突っ込んで、ひたすら呆れる忍足君が、こりゃ重症や、と呟いて、それに白石君が笑った。
あたしとしては全然笑い事じゃないんだけどね!
今にもストリートテニス場へと突っ込んで行きそうなあたしを、白石君はまるで問題児を抱えた先生みたいな目で見ながら、

「アカンでぇ?紅槻さん、ラケット持ったら離さへんやろ。テスト終わるまでは触ったらアカンで。基礎練だけや」
「ええー!?何それ、白石君の鬼!鬼畜ー!!」
「ちょ、往来で人聞きの悪いこと言いなや!…せや、テスト終わったら俺と試合しよや。ここんとこ一年の相手ばっかで試合形式までやれてへんかったやろ?テスト期間終わったら大会シーズンや、調整してかなアカンしな」

大会。
テストが終われば、地区大会はすぐ先に迫ってきていた。
全国大会へのファーストステップである地区大会には、もちろん四天宝寺テニス部も名保個人も参加表明済みである。
躓くことなど許されない、全力で駆け抜けるトラックの、スタート地点だ。
ゴールがどこにあるのか、それが見えている人はきっと少ないけれど、目指すゴールは皆同じだ。
今年も、夏が来る。

「おっけ!男に二言はナシだからね!忍足君もね!」
「はぁっ?なんで俺もやねん!」
「謙也、いつまでも紅槻さんとの試合避けてたら、財前にレギュラー、取られるで?」

にやにやと、楽しんでいるのを隠さずに白石君がそう忍足君に詰め寄れば、忍足君はぐ、と喉を詰まらせた。
新入部員が出そろって一週間後に行われた校内個人戦で、財前君は見事に準レギュラーの地位を勝ち取っていた。
他の二年や三年を押しのけて新一年生で準とはいえレギュラーについたのは財前君だけだ。
しかも彼は面倒くさそうなポーズはしていてもなかなか野心のある子で、不良的な外見に反して練習は真面目だし向上心もあるしで、あたしも白石君もかなり期待しているのだ。
めきめきと腕を上げている財前君を、新年度が始まって浮き足立っていたのが落ち着くのに反比例して増えだしたフェンスに張り付く女生徒たちは、『天才』と呼んでさっそくファンが出来始めているようだった。
財前君自身は彼女たちには興味なさそう(というよりは迷惑そう)だったが、天才と呼ばれることについてはまんざらでもなさそうで、ついつい笑ってしまいそうだった。

「でも、実際すごいよね財前君。まだまだ伸びるぜーっ!って、全身で言ってる感じ。頼もしい一年が入ってくれてよかったねえ!」
「ホンマやわ。ちょっとばかし生意気なんはま、アイツなりの照れ隠しやろしなあ、可愛いモンや」
「白石、そういう態度取るからアイツに“キモい”言われんねんで」
「うっさいわ謙也!」
「あっは!財前君正直ってゆーか、ストレートだよねえ!」

バシン、と軽い音を立てて白石君が忍足君の背中を叩くのを横目に笑う。
財前君は先輩だろうと遠慮なく物を言う。
一氏君と小春ちゃんのことはモーホーとか言うし、白石君にもあのエクスタシー発言のせいでキモいと平気で口にする。
それを許す彼らだからこそ言うのだろうとはわかっているけれど、そんな姿を見てると、ますます大物だと思うのだ。

「忍足君、ほんとにうかうかしてたら足元掬われるかもよ?」
「…浪速のスピードスターの足元、掬えるもんなら掬ってみろっちゅー話や!」
「おおっ?おっきく出たねえ!ですって、部長!」
「聞いたで聞いたでぇ!テスト明けが楽しみやなあ」
「ああああ!こうなりゃヤケや!白石も紅槻もかかってき、返り討ちにしてやんで!!」
「うっしゃ、じゃ、ミクスドでいく?あたしと白石君、忍足君と…財前君!」
「なんやぁそれ、めっちゃ楽しそうやなあ!エクスタシーな試合になりそうや!!」

ダブルスなんて滅多にしないから、自分で言っておいてなんだけど、すごくいい提案をしたな。
忍足君がなにやら沈んで見えるけど、あれはきっと幻覚か何かだ。
さっきまでのテンションの反動が来たんだろう、多分。
うきうきとテスト後の試合をイメージするあたしと白石君を一度恨めしそうに見てから、ちょっと息を吐いて、忍足君は仕方がない、とでも言いたそうな顔で笑った。

「まあでも、ためになるよな。俺、ダブルス組むん苦手やし」
「ダブルスは先輩らとユウジと小春に任せっぱなしやもんなあ。そろそろ、新しいダブルスも決めんとアカンな」
「四天宝寺はダブルス固定なの?」
「んなこたあらへんけど、ころっころ変わるってこともあんまない?個人プレイ好きな奴多いからなあ」
「財前組ましたらええんちゃう?下も使てええんやろ?」
「ええけど…俺らはまだしもやな、先輩らは組まへんと思うで?出る杭は打ちこむタイプみたいやからなあ」

そう言ってため息をついた白石君の言葉はなんだか実感が伴っているようで、無意識で眉が寄った。
きっと白石君もそういう態度を取られてきたのだろう。
女子と一緒で、どこにでもそういう輩はいるものだ。
そういう人は決まって実力なんてない。
人の実力を認められないで、どうして自分の実力を伸ばすことができるっていうのか、あたしにはわからない。

「そんなだから弱いのよ」

思わず吐き捨てるような言い方になってしまって、ハッとしたころには白石君も忍足君も驚いたようにあたしを見ていた。
ちょっとばつが悪くなって視線を逸らすけれど、あたしの言葉は止まらない。

「負けず嫌いも反骨精神も全部強さの種だけど、僻みと妬みは毒だもん。嫉妬ってのは聖人君子じゃあるまいし、誰だってするもんだと思うけど、恋愛じゃあるまいし、スポーツは努力に正直だから。妬んで愚痴ってる暇あるんなら、その分何倍も何倍も練習すりゃいいのよ」
「…なんや、実感こもっとるな」
「…だってあたしの体験に基づく理論だからね」

そう苦く笑う。
そう、今のあたしを作っているそのほぼすべて。
昔のことを思い出して、話のついでにと続けた。

「あたし、今は強いって言うこと躊躇わないし、実際強いと思ってるし、そういうところだけは自信あるんだけどね、昔はめっちゃくちゃ弱かったのよ。特にサーブは、入んないしダブルフォルトなんて当たり前でさ」
「紅槻さんが?今の姿からは想像できひんな」
「コントロールとか、もー腹立つくらい全然できなくてさ。それなのに、幼なじみの子はなんでもそつなくこなして、始めたのは確かに向こうの方が早かったけど、そういう差じゃなくて、一時期めっちゃ腐ってたことあって」

テニスを始めたのは精市がいたからだ。
けど、精市に嫉妬しなかったと言えば嘘になる。
何をやっても精市より上に立てなくて、もうテニスなんてやめようと思ったことだってある。
けど、でも、それでもやめなかったのは、テニスが好きだったから。
そして。

「“名保は俺に勝ちたくないの?諦めるの?諦めつくほど簡単なものだったの?”って言われて、すごく腹が立って。でも、気づいたこともあって。諦めたくなんかない、負けっぱなしなんて嫌だ、絶対に超えてやる!って」
「……」
「もーそっからは死ぬ気。朝も昼も夜もずーっと練習して基礎トレして、悔しい気持ちは勿論あったけど、幼なじみにアドバイスとかもらって、必死で練習して……勝てた時はもう、すっごく、言葉では言い表せないくらいほんとに嬉しくて!同じフィールドに立ててるんだって思ったらね、辛かったのも苦しかったのも、やめようと思ってたあの時のことも、全部認めてあたしの“自信”になってた」

頑張ったのも頑張れなくなりそうだったのも全部あたしで、それを超えてきて今のあたしが居て、だから、あたしは自分が強いことを疑ったりしない。
それは、認めてくれた人のおかげであることもあたしはわかっているけれど。
嫉妬したまま、あそこで頑張ることをやめてしまっていたなら、あたしはこうしてここにはいなかったし、きっと精市の隣にもいなかったはずだ。
あそこで諦めてしまえば確かに楽だったかもしれない。
でも、きっと楽しく思うことなんてなかったはずだ。
テニスもやっていなかっただろうし、出会えなかった人もたくさんいる。

「才能なんてものはさあ、ある程度みんな持ってるんだよ。ただ、それを伸ばす方法を知らなくて、持ってることにも気付けないことが多いだけで」

天才ってのは本当にいる。
でも、それだけでうまいわけじゃないのをあたしは知っている。
多分きっと、白石君も忍足君もわかっている。
ニッカリと笑って、そういうこと!と、あたしは話を切り上げた。
なんだか妙にしんみりしてしまって、まったくらしくない。





*




ニカッと、いつもの笑顔を浮かべた紅槻さんは、そういうこと!と言い残して、前を歩くラブルスに向かって走っていった。
その後ろ姿を謙也と見送って、それから、同時に息を吐いた。
圧倒された。
その心に、意識の高さに、彼女という存在に。
眩いまでの紅槻さんの自信に溢れたプレイ、その根源にあるものを、彼女は醜いもののように言ったけど、それは確かに生まれた時は醜かったのかもしれないけれど、彼女によって見事に白鳥になって今羽ばたいているのだ、紅槻さんそのものとして。
ひどく美しく、熱く、そして強い。
オサムちゃんが紅槻さんを“女王”と呼ぶ、その意味が今、ようやくわかったような気がした。
全国チャンピオン、それだけの意味に収まらない、彼女が“女王”と呼ばれる所以を。

「やっぱ、すごい奴やな、紅槻は」

隣で、俺と同じように衝撃を受けた謙也が、呆然としたままそうつぶやいた。

「ダブルフォルトやで?謙也。あの紅槻さんが」
「今の紅槻からじゃ、ホンマ想像つかへん」
「百発百中やもんな。コントロール、ミスったの見たことあらへんわ」

ぽつぽつと、そう会話しながら、俺達は多分、同じことを考えていたと思う。
彼女は、今の彼女自身を手に入れるために、いったいどれほどの努力と練習を重ねてきたんだろうか。
挫折もしただろうし、諦めそうになったのも、聞いた一度だけじゃないかもしれない。
思うのは、――自分もあれほどまでに“強い”プレイヤーに、なれるだろうか、ということ。

「いや、ちゃうな。“なる”んや」
「白石?」

突然そう言った俺を、謙也は不思議そうに見返してきた。
その目をまっすぐに見据えて、俺はもう一度、はっきりと口にした。

「紅槻さんみたいに、強うなるんや。なれるか、とか、そんなんはちゃうねん。なるんや。…きっと、そんだけでええねん」

オサムちゃんに任され、卒業していった先輩から預かった“部長”というもの。
その重さに、俺はまだ、本当のところで気づいていないと思う。
ただ、上の先輩を押しのけてこの手に落ちてきたそれを、先輩たちの視線や言葉に負けて、取り落してしまいそうになっていたそれを、今、まるで紅槻さんが一緒に持ってくれたかのような、そんな気がした。
もちろん、紅槻さんにそんなつもりがないのはわかっている。
俺が勝手にそう思っただけ。
プレイヤーとしての自信も、そうだ。
彼女の中に見た、輝くもの、それそのものを、俺の中に見つけられる可能性。
手に入れたのはそんな、曖昧で形のないものだったけれど、それで十分だった。
ずっと、それが欲しかった。

「なぁ、謙也」
「なん?」
「女王サマ、来てくれてよかったな」
「…せやな」

いつもせかせかしている謙也の、珍しすぎる落ち着いた表情を見て、もしかしなくとも、俺はこいつに心配をかけていたのかもしれないと、ようやく気付いた。
まったく、謙也に心配されるとは俺もまだまだだ。

「テスト終わったらビシバシ行くでぇ?王者に食らいつこいうんや、今までの練習なんて比やあらへんくらい厳しいくからな!謙也!」
「でぇ!?あれ以上て、殺人的やで!?」
「なら一辺死んどこ。そしたらもう恐いもんもあらへんくなるやろ?嬉しいなぁ、謙也ー」
「んなわけあるかいな!ちょっ、紅槻ー!!お前のせいで白石ごっついドSになりよったやないか!どないしてくれんねん!!」

前を行く紅槻さんの背に謙也が叫びかけ、呼ばれた彼女が振り返って笑う。
夕日を背負ったその姿はひどく眩しくて、けれど、こちらから近づけば手が届く位置にいて。
いつか、テニスプレイヤーとして、俺も彼女の隣に、きっと今立っているだろう幼なじみという人を押しのけて、立ちたいと、意識の深いところで、そのとき俺は思った。









C




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長々しくなった…
なんか最近財前君が好きです
連載の主軸を決めた…はずです、うん
まだまだ白石君は主人公の心の深いところには行けません
多分最初は白石→主人公で行くことになるかと
今だに幸村夢になりそうな予感がぬぐえない…


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ジャンル雑多の二次創作小説(&絵)置き場。
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