傾向
管理人の嗜好の傾向。
[CP]
・主人公は基本右。
・リバは基本的にナシ。
・公式イケメンは基本左。
・受けキャラ至上主義。
・受けキャラがいればあとはなんでもいい。
・かっこいくてもかわいい。
・かわいくてもかっこいい。
・お兄ちゃん/ギャップ萌え属性
・女の子/NLCPもすき。
-----------------------------------
・テニス(幸村くん中心)
仁幸(仁)、282、白幸、柳幸
跡幸など幸村右と、リョマ右も
・イナイレ(円堂さん右)
ブレイク、海外、バンガゼ
円春・ウル円
・FF7(クラウド右)
セフィクラ至上
・ハルヒ(キョン右)
古キョン、会キョン
キョン長
[dream]
・男主and女主
・恋愛≦仲間・友情
-----------------------------------
(ただ今の萌え)
・片倉小十郎(BSR)
伊達正宗(BSR)
松永久秀(BSR)
・幸村精市(TNS)
白石蔵ノ介(TNS)
・クロロ(H×H)
なんか趣味がばれる…
夢は読むのと書くのではジャンルに差異あり
[CP]
・主人公は基本右。
・リバは基本的にナシ。
・公式イケメンは基本左。
・受けキャラ至上主義。
・受けキャラがいればあとはなんでもいい。
・かっこいくてもかわいい。
・かわいくてもかっこいい。
・お兄ちゃん/ギャップ萌え属性
・女の子/NLCPもすき。
-----------------------------------
・テニス(幸村くん中心)
仁幸(仁)、282、白幸、柳幸
跡幸など幸村右と、リョマ右も
・イナイレ(円堂さん右)
ブレイク、海外、バンガゼ
円春・ウル円
・FF7(クラウド右)
セフィクラ至上
・ハルヒ(キョン右)
古キョン、会キョン
キョン長
[dream]
・男主and女主
・恋愛≦仲間・友情
-----------------------------------
(ただ今の萌え)
・片倉小十郎(BSR)
伊達正宗(BSR)
松永久秀(BSR)
・幸村精市(TNS)
白石蔵ノ介(TNS)
・クロロ(H×H)
なんか趣味がばれる…
夢は読むのと書くのではジャンルに差異あり
dream menu
[Dream Menu]
メモ段階のようなものなので、いずれも名前変換に未対応。
一定以上溜まったらなんとかするかと…今は未定。
←↑古 新↓→
※BASARA作品について※
1、2英雄外伝、3宴のみプレイ済
他はプレイ予定ありません。3キャラは出る場合が無きにしも非ず、ですが3のストーリーに関することは無視する可能性高いです。武将について――特に伊達家については様々捏造しておりますので、史実が好き、捏造嫌いな方は読まずにお帰り下さい。
ちなみにアニメも映画も未視聴。基本的に英雄外伝のみで稼働してます。
※テニス作品について※
資料は20.5/40.5巻のみ、知識穴だらけです。
妄想や捏造、原作との相違をスルーできない方は閲覧をお控えください。
各話タイトルオンマウスで説明有
■男主人公
・戦国BASARA
「双竜と鳳雛」
[成長編] 01/02/03/04/05/…
[幼少編] 01/02/03/04(sss)/…
[番外編・梟と鳳雛] 01/…
・Hunter×Hunter
「愛本家と蜘蛛」
01/02/03/…
・One Piece
「夕暮」
01/…
・Whithle!
「青風」
01/…
・Lucky Dog 1
「黒猫ちゃん」
01/02/…
■女主人公
・戦国BASARA
「お嫁様」
「愛姫」
01/…
「家族シリーズ」
さみしがりな君へ5のお題(幼少期)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
夜露に濡れた仔猫(元就)
怖がらないで、甘えてごらん(佐助)
放っておけない(政宗)
躊躇いは捨てろ(小十郎)
いつでも近くにいるよ(幸村)
・The Prince of Tennis
「青い道」
01/1.5/02/03/04/4.5/05/5.5/06/
6.5/07/08/09/10/…
「立海大家族!」
設定とsss/病気の話/…
「学校の怪談」
01/…
「チェリー」
01/…
「彼と彼と彼女の話」
01/02/…
「たまごの中の愛の色(仮題)」
01/02/03/04/05/06/6.5/07/…
■短編(男女混合/オンマウスで説明)
・戦国BASARA
戦国時代10題
[配布元:沈黙夜宮(ttp://karis.obihimo.com/c/)]
血生臭い夕焼けの戦場を駆けて行く
可憐なる姫よ、戦に出でよ
我が屍の先に天下があるのならば、越えて行け
華の武将に影の忍
・The Prince of Tennis
たったひとつのその椅子に、
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「そろそろ、機嫌を直してくれないか」
[オムニバス形式短編集]
もういい加減
その他メモ記事
Title/お嫁様メモ/夢設定/双竜ネタメモ/OPメモ
メモ段階のようなものなので、いずれも名前変換に未対応。
一定以上溜まったらなんとかするかと…今は未定。
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※BASARA作品について※
1、2英雄外伝、3宴のみプレイ済
他はプレイ予定ありません。3キャラは出る場合が無きにしも非ず、ですが3のストーリーに関することは無視する可能性高いです。武将について――特に伊達家については様々捏造しておりますので、史実が好き、捏造嫌いな方は読まずにお帰り下さい。
ちなみにアニメも映画も未視聴。基本的に英雄外伝のみで稼働してます。
※テニス作品について※
資料は20.5/40.5巻のみ、知識穴だらけです。
妄想や捏造、原作との相違をスルーできない方は閲覧をお控えください。
各話タイトルオンマウスで説明有
■男主人公
・戦国BASARA
「双竜と鳳雛」
[成長編] 01/02/03/04/05/…
[幼少編] 01/02/03/04(sss)/…
[番外編・梟と鳳雛] 01/…
・Hunter×Hunter
「愛本家と蜘蛛」
01/02/03/…
・One Piece
「夕暮」
01/…
・Whithle!
「青風」
01/…
・Lucky Dog 1
「黒猫ちゃん」
01/02/…
■女主人公
・戦国BASARA
「お嫁様」
「愛姫」
01/…
「家族シリーズ」
さみしがりな君へ5のお題(幼少期)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
夜露に濡れた仔猫(元就)
怖がらないで、甘えてごらん(佐助)
放っておけない(政宗)
躊躇いは捨てろ(小十郎)
いつでも近くにいるよ(幸村)
・The Prince of Tennis
「青い道」
01/1.5/02/03/04/4.5/05/5.5/06/
6.5/07/08/09/10/…
「立海大家族!」
設定とsss/病気の話/…
「学校の怪談」
01/…
「チェリー」
01/…
「彼と彼と彼女の話」
01/02/…
「たまごの中の愛の色(仮題)」
01/02/03/04/05/06/6.5/07/…
■短編(男女混合/オンマウスで説明)
・戦国BASARA
戦国時代10題
[配布元:沈黙夜宮(ttp://karis.obihimo.com/c/)]
血生臭い夕焼けの戦場を駆けて行く
可憐なる姫よ、戦に出でよ
我が屍の先に天下があるのならば、越えて行け
華の武将に影の忍
・The Prince of Tennis
たったひとつのその椅子に、
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「そろそろ、機嫌を直してくれないか」
[オムニバス形式短編集]
もういい加減
その他メモ記事
Title/お嫁様メモ/夢設定/双竜ネタメモ/OPメモ
CP story
[CP story Menu]
CP要素のあるSSはこちら。
基本的に男×男のCPしかありません。
←↑古 新↓→
※テニス作品について※
資料が20.5/40.5巻のみなので、原作と相違する点が多々あるかと思いますが、それをご了承いただける方のみご覧ください。
捏造や妄想が苦手な方には全く向いておりません。
タイトルオンマウスで簡単に説明
■The Prince of Tennis
・幸村くんと仁王(仁幸仁)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
即物的恋愛十題
「珍獣の飼い方10の基本」
まずはかわいがってきにいってもらいましょう
とてもきちょうで、めったにてにはいりません
かわったものにきょうみをもちます
だっそうにきをつけましょう
さびしがらせてはいけません
かまいすぎるのはあまりよくありません
おこらせるとおもわぬはんげきをうけます
かいぬしのへんかにびんかんです
きほんてきにマイペースです
ていきてきにけづくろいをしてあげましょう
・幸村くんとみんな
「果てなき世界と果てなき僕ら」
支部連絡会編
01/02/03/…
[短編]
・幸村くんと仁王(仁幸二)
[title by Discolo(ttp://discolo.tuzikaze.com/)]
この手には微かでも確かな温もり
・他幸村くん受けとか
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「僕がいなきゃ駄目だって、気にさせるんですよ」
■涼宮ハルヒ[凍結]
・古キョン
スレてる3年前古泉と現代キョンくん 01/02…
エイプリルフール
さくらんぼのへた
りんご飴 01/02/03…
安眠と羊?
父と子 01/02…
きょうだい
プレゼント
他お蔵入り1
CP要素のあるSSはこちら。
基本的に男×男のCPしかありません。
←↑古 新↓→
※テニス作品について※
資料が20.5/40.5巻のみなので、原作と相違する点が多々あるかと思いますが、それをご了承いただける方のみご覧ください。
捏造や妄想が苦手な方には全く向いておりません。
タイトルオンマウスで簡単に説明
■The Prince of Tennis
・幸村くんと仁王(仁幸仁)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
即物的恋愛十題
「珍獣の飼い方10の基本」
まずはかわいがってきにいってもらいましょう
とてもきちょうで、めったにてにはいりません
かわったものにきょうみをもちます
だっそうにきをつけましょう
さびしがらせてはいけません
かまいすぎるのはあまりよくありません
おこらせるとおもわぬはんげきをうけます
かいぬしのへんかにびんかんです
きほんてきにマイペースです
ていきてきにけづくろいをしてあげましょう
・幸村くんとみんな
「果てなき世界と果てなき僕ら」
支部連絡会編
01/02/03/…
[短編]
・幸村くんと仁王(仁幸二)
[title by Discolo(ttp://discolo.tuzikaze.com/)]
この手には微かでも確かな温もり
・他幸村くん受けとか
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「僕がいなきゃ駄目だって、気にさせるんですよ」
■涼宮ハルヒ[凍結]
・古キョン
スレてる3年前古泉と現代キョンくん 01/02…
エイプリルフール
さくらんぼのへた
りんご飴 01/02/03…
安眠と羊?
父と子 01/02…
きょうだい
プレゼント
他お蔵入り1
女性向けブログサイトです。(詳細はABOUTにて)
2012/04/12 (Thu)
文書出すよって言ってたけどそれって家に届くのかどうなのか
怪談の続き、ほのぼのターン終了の回です
次回からまた出ます、と言うだけはタダだぜ
*怪談3
さっきまでのことを忘れたわけでも、怖くなくなったわけでもないだろうが、笑みを浮かべられるほどには精神も回復したようだ、と柳は心の内で少しだけ微笑んだ。
「気を取り直して。…紅槻、俺の部活の仲間達だ。何人かは見たことぐらいはあるだろう」
「あ、うん。真田君と柳生君は服装検査のときに見るから。あとは…見たことだけだったら」
自信なさ気に、申し訳なさそうに尻すぼみになっていく言葉に、今度はくすりと音に出して柳は笑った。初対面なのだから名前を知らなくても当然のはずなのに、名保はなんだか名前を知らないことがひどく申し訳ないことのように感じていた。テニス部が人気の高い部活であることは知っていたが、その一人一人をわざわざ覚えようとするほど興味を持っていなかったのが、今になって後悔してきて、
「え、えと…なんか、ごめんなさい」
とついに謝った。
「謝る必要はない。初対面なのだから、名前を知らなくて当然だ」
優しく言う柳に、真田や柳生も首肯した。
ミーハーな女子生徒が苦手なのはメンバー全員の共通意識だ。もちろんすべての女子生徒が“そう”だと思っているわけではないが、まず疑わないという選択肢などなく、実際、大人しそうな“ふり”で近づいてきた女子生徒も少なくない。それでも今回、名保に対して排他的になれないのは、少なくとも柳は、彼女のことをこれまでの女子生徒と同じ類ではないと結論付けており、その柳の結論を疑う余地など他のメンバーにないからに相違ない。
「せっかくだし、自己紹介させてもらえるかな」
幸村が名保に向かって一歩進み出てそう言った。
「真田と柳生のことは知ってるんだったね。でも話したことはないんだろ?ほら二人とも、自己紹介」
「うむ。…A組の真田弦一郎だ」
「同じくA組の柳生比呂士です。よろしくお願いしますね」
幸村に促され、真田と柳生が進み出て名乗った。名保と柳はF組で、A組とは教室のある階が違う。A組じゃあ見かけないはずだ、と風紀委員の活動中以外で見ることのなかったふたりに納得しつつ、名保もよろしくお願いします、と軽く頭を下げた。それに対して柳生が少しだけ微笑んだ気がした。続いてブン太が自ら進み出た。右手にジャッカルをひっかけて。
「俺は丸井ブン太。シクヨロ!ちなみにコイツはジャッカルな」
「ちなみにってなんだよ!…俺はジャッカル・桑原だ」
「丸井君と、桑原君だね、」
「あー、コイツのことはジャッカルでいいぜ!」
「お前が言うなよ…呼ばれ慣れねえんだ、苗字」
「そうなの?えっと、じゃあ…ジャッカル君。よろしくね」
強引なブン太とそれに引っ張られるジャッカルの関係は、一目で仲がいいんだとわかった。名保はその様子が微笑ましくて、くすくすと笑いながらぺこっと頭を下げる。仲がいいんだなあと呟けば、それを拾った柳が「テニスではダブルスを組んでいるからな」と答えた。その言葉に納得したところで、ずいっと目前に白い顔が近づいて、名保は思わずのけぞった。勢いのままに一歩引いて、目を白黒させる名保をしばらく見つめて、クック、とのどを鳴らして、ようやく仁王は名保から顔を離した。
「…悪趣味だぞ、仁王」
「仕方ないじゃろ。それが俺のやり方じゃ」
窘める柳に向かって悪びれなく言いながら、ニヤリ、よりも、ニッコリ、と笑顔を作って、「合格じゃ」と呟いた。意味が解らず首を傾げる名保を、今度はニヤニヤと笑いながら、ようやく自己紹介をする。笑顔の種類の多い人だな、と名保が仁王に抱いたのはそんな印象だった。
「仁王雅治。柳生のダブルスパートナーじゃ」
「えっ。柳生君の?…ダブルス?」
「…紅槻が“似合わない”と思っている確率は80%というところだな」
「!なぜそれを!」
「おまんがわかりやすすぎるんじゃ」
くっくっく、と可笑しそうに笑う仁王に羞恥心を煽られて、名保は顔を赤くして柳を見上げた。睨んだつもりだが、身長差のせいでか、八の字になった眉のせいでか、柳にダメージを与えることができるはずもなく。
「はは、そういうタイミングで赤くなるんだ」
と幸村にまで笑われてしまって、どんどんといたたまれなくなる。助け舟を出したのは、原因となった柳だ。未だに威嚇を続ける問題児へと視線をずらし、促すように口を開く。
「ほら、赤也も挨拶くらいしておけ」
「何でッスか。オカシイっすよこんなの、今までこんなことなかったじゃないスか!!俺は、ぜってー、やです!!」
思いきり名保を睨み付けてから、赤也はフン!とそっぽを向いた。困ったのは名保で、苦笑したままどうしたらいいかわからないでいた。
「すまないね、紅槻さん。礼儀がなってなくて」
「あ、別にいいよ、気にしないし…」
実際、名保としてはその通りだった。せっかく知り合いになったのだから名前くらい聞いておきたい気持ちがないわけではないとはいえ、別に無理してまで知りたいと思うほどでもない。この先関わるかどうかもわからない、それも他のメンバーと違って赤也は後輩だからこそ余計に、名前だけ知ったところで仕方がない。嫌われている風なのは気にはなるけれど、それ以上の興味も特に沸かいてはいなかった。
「そう言ってくれるとありがたいよ。…ああ、そういえば俺の自己紹介がまだだったっけ」
うっかりしてたよ、と言いながら笑う幸村を、胡乱に見るのは柳だ。お前こそが誰よりも紅槻を見極めようとしていた癖にと、しかしそれを口にしないのは、そうした結果、幸村が自ら名乗る気になったからだ。幸村ならば気に入らない相手に名乗ることもなく煙に巻くくらいは容易にできることなのだから。しかし、もし今回それを実行していたとしても、やっぱり柳は言わなかっただろうことは、柳自身が一番よくわかっていることだが。柳とて、今さっき初めて会話したクラスメイトよりも、3年よりも長く付き合いのあるチームメイトの方が比重が高いのは当然なのだから。
「俺は幸村精市。テニス部の部長だよ」
にっこりと笑って名乗った幸村に、名保は驚いたように目を瞠って、それから、傍目にもわかるほど瞳をきらきらと輝かせ、頬を赤くした。瞬間、幸村の目がすっと冷えた。このような反応をするのは、今までと同じだからに他ならない、失敗したか、と結論を出すより一瞬早く、名保がその口を開いた。
「幸村くん!もしかして去年、ひまわりの水彩画描いてなかったかな?美術室に貼りだされてた…ああ、でも違うかなあ」
「はあ?」
「ひまわり?」
後半、独りごとのようにつぶやく名保を放って、ブン太とジャッカルがわからない、と声を上げた。ふたりだけでなく、何を言い出すんだコイツ、と言葉はなくとも表情で語っている他のメンバーを置いて、問われた本人も困惑しつつ肯定した。
「去年の美術の授業では確かにひまわり描いたと思うけど…よく、知ってるね?」
確かに覚えがあった。美術の授業の一環で、水彩画で何か一つ作品を仕上げろと出された課題だ。そして“ゆきむらせいいち”という名前と同名の生徒は立海広しといえどこの幸村をおいて他にない。とはいえ、あの時期はまさにひまわりが最盛期で、他にもひまわりを描いていた生徒なんてごまんといたはずだ。その中でわざわざ幸村が何を描いていたのかを覚えているひとがいて、それを面と向かって聞いてくるとは。面倒なタイプの追っかけだったら嫌だな、と傾きかける意識の外で、名保は幸村を見たまま、やさしくふんわりと笑った。それはひどく嬉しそうで、幸村の思考も、一連の流れを見守っていたメンバーの思考も、一瞬止めてしまうほどの笑顔だった。
「ひまわりを描いてる人はいっぱいいたんだけどね、幸村くんのひまわりが、一番すてきだなって思ったの。…ほら、水彩画って淡くて優しくて繊細な雰囲気でしょ?けどね、幸村くんのひまわり、まさに!って感じの優しいきれいな絵なのにね、すっごく力強くて、生き生きしてて、まっすぐで。強くなりたいんだろうなあ、今がすっごく楽しいんだろうなあって、気持ちがまっすぐ届いて」
そっと目を眇める名保の瞼には、あの日に見たひまわりが鮮やかに咲いていた。ひまわりの絵に重ねて、描き手が見えてくるような、そんな絵だった。
上手いとか下手だとかは名保にはわからない。ただ、たくさん並ぶ絵の中で、幸村のひまわりだけが名保の心を揺さぶったのだ。それは衝撃と言っていい。絵を描く立場の人間として、決して無視などできない、鮮やかな、閃光のような衝撃だったのだ。
「私、油絵を専攻しててね、水彩はすごく苦手なの。絵はどれもそうだけど、水彩はもっと素直に描いてる人を浮かび上がらせる気がするから。私、あんなにまっすぐ絵に向き合ってないなって、だから水彩で描くの苦手だって思っちゃうのかなって、気づかされたの。あれ以来、水彩も練習するようになってね、そしたらなんだか、自分の世界が広がっていくような気がして。だからずっと、あのひまわりを描いた“ゆきむらせいいち”くんに会ってみたかったの。それで、ありがとうって言いたくて」
改めて、ありがとうと言いながら頭を下げた名保に、その場の全員が困惑していた。幸村でさえも。
“強くなりたいんだろう”、“今がすごく楽しいんだろう”、そう名保は言った。それは特にその頃の幸村の本質で本心だった。美術の教師もクラスメイトも、そんな言葉を幸村にかけることはなかったのに。
「…紅槻さんは、美術部なの?」
「あ、うん。今展覧会用の絵と、あと、水彩でひまわり、描いてるの」
まだ全然、上手くいかないけど。
照れながら苦笑して、手で髪を梳く。照れ隠しの癖だな、と柳はやわらかい気持ちで名保を見た。彼女の言葉は本物だ。その笑顔にも輝いた瞳にも、嘘などひとつもない。これが偽りだとすれば、多分柳は二度と“女”を信用などできなくなるだろうと、思わせるだけの笑顔だった。
---------------------------------------
怪談3、ほのぼのターン終了です
こっからホラーなんですけどね、いけるのかこれ、この雰囲気で(笑)
かっこわらい
もっとはっちゃけた主人公にすべきだったんだろうなと思いつつ
怪談の続き、ほのぼのターン終了の回です
次回からまた出ます、と言うだけはタダだぜ
*怪談3
さっきまでのことを忘れたわけでも、怖くなくなったわけでもないだろうが、笑みを浮かべられるほどには精神も回復したようだ、と柳は心の内で少しだけ微笑んだ。
「気を取り直して。…紅槻、俺の部活の仲間達だ。何人かは見たことぐらいはあるだろう」
「あ、うん。真田君と柳生君は服装検査のときに見るから。あとは…見たことだけだったら」
自信なさ気に、申し訳なさそうに尻すぼみになっていく言葉に、今度はくすりと音に出して柳は笑った。初対面なのだから名前を知らなくても当然のはずなのに、名保はなんだか名前を知らないことがひどく申し訳ないことのように感じていた。テニス部が人気の高い部活であることは知っていたが、その一人一人をわざわざ覚えようとするほど興味を持っていなかったのが、今になって後悔してきて、
「え、えと…なんか、ごめんなさい」
とついに謝った。
「謝る必要はない。初対面なのだから、名前を知らなくて当然だ」
優しく言う柳に、真田や柳生も首肯した。
ミーハーな女子生徒が苦手なのはメンバー全員の共通意識だ。もちろんすべての女子生徒が“そう”だと思っているわけではないが、まず疑わないという選択肢などなく、実際、大人しそうな“ふり”で近づいてきた女子生徒も少なくない。それでも今回、名保に対して排他的になれないのは、少なくとも柳は、彼女のことをこれまでの女子生徒と同じ類ではないと結論付けており、その柳の結論を疑う余地など他のメンバーにないからに相違ない。
「せっかくだし、自己紹介させてもらえるかな」
幸村が名保に向かって一歩進み出てそう言った。
「真田と柳生のことは知ってるんだったね。でも話したことはないんだろ?ほら二人とも、自己紹介」
「うむ。…A組の真田弦一郎だ」
「同じくA組の柳生比呂士です。よろしくお願いしますね」
幸村に促され、真田と柳生が進み出て名乗った。名保と柳はF組で、A組とは教室のある階が違う。A組じゃあ見かけないはずだ、と風紀委員の活動中以外で見ることのなかったふたりに納得しつつ、名保もよろしくお願いします、と軽く頭を下げた。それに対して柳生が少しだけ微笑んだ気がした。続いてブン太が自ら進み出た。右手にジャッカルをひっかけて。
「俺は丸井ブン太。シクヨロ!ちなみにコイツはジャッカルな」
「ちなみにってなんだよ!…俺はジャッカル・桑原だ」
「丸井君と、桑原君だね、」
「あー、コイツのことはジャッカルでいいぜ!」
「お前が言うなよ…呼ばれ慣れねえんだ、苗字」
「そうなの?えっと、じゃあ…ジャッカル君。よろしくね」
強引なブン太とそれに引っ張られるジャッカルの関係は、一目で仲がいいんだとわかった。名保はその様子が微笑ましくて、くすくすと笑いながらぺこっと頭を下げる。仲がいいんだなあと呟けば、それを拾った柳が「テニスではダブルスを組んでいるからな」と答えた。その言葉に納得したところで、ずいっと目前に白い顔が近づいて、名保は思わずのけぞった。勢いのままに一歩引いて、目を白黒させる名保をしばらく見つめて、クック、とのどを鳴らして、ようやく仁王は名保から顔を離した。
「…悪趣味だぞ、仁王」
「仕方ないじゃろ。それが俺のやり方じゃ」
窘める柳に向かって悪びれなく言いながら、ニヤリ、よりも、ニッコリ、と笑顔を作って、「合格じゃ」と呟いた。意味が解らず首を傾げる名保を、今度はニヤニヤと笑いながら、ようやく自己紹介をする。笑顔の種類の多い人だな、と名保が仁王に抱いたのはそんな印象だった。
「仁王雅治。柳生のダブルスパートナーじゃ」
「えっ。柳生君の?…ダブルス?」
「…紅槻が“似合わない”と思っている確率は80%というところだな」
「!なぜそれを!」
「おまんがわかりやすすぎるんじゃ」
くっくっく、と可笑しそうに笑う仁王に羞恥心を煽られて、名保は顔を赤くして柳を見上げた。睨んだつもりだが、身長差のせいでか、八の字になった眉のせいでか、柳にダメージを与えることができるはずもなく。
「はは、そういうタイミングで赤くなるんだ」
と幸村にまで笑われてしまって、どんどんといたたまれなくなる。助け舟を出したのは、原因となった柳だ。未だに威嚇を続ける問題児へと視線をずらし、促すように口を開く。
「ほら、赤也も挨拶くらいしておけ」
「何でッスか。オカシイっすよこんなの、今までこんなことなかったじゃないスか!!俺は、ぜってー、やです!!」
思いきり名保を睨み付けてから、赤也はフン!とそっぽを向いた。困ったのは名保で、苦笑したままどうしたらいいかわからないでいた。
「すまないね、紅槻さん。礼儀がなってなくて」
「あ、別にいいよ、気にしないし…」
実際、名保としてはその通りだった。せっかく知り合いになったのだから名前くらい聞いておきたい気持ちがないわけではないとはいえ、別に無理してまで知りたいと思うほどでもない。この先関わるかどうかもわからない、それも他のメンバーと違って赤也は後輩だからこそ余計に、名前だけ知ったところで仕方がない。嫌われている風なのは気にはなるけれど、それ以上の興味も特に沸かいてはいなかった。
「そう言ってくれるとありがたいよ。…ああ、そういえば俺の自己紹介がまだだったっけ」
うっかりしてたよ、と言いながら笑う幸村を、胡乱に見るのは柳だ。お前こそが誰よりも紅槻を見極めようとしていた癖にと、しかしそれを口にしないのは、そうした結果、幸村が自ら名乗る気になったからだ。幸村ならば気に入らない相手に名乗ることもなく煙に巻くくらいは容易にできることなのだから。しかし、もし今回それを実行していたとしても、やっぱり柳は言わなかっただろうことは、柳自身が一番よくわかっていることだが。柳とて、今さっき初めて会話したクラスメイトよりも、3年よりも長く付き合いのあるチームメイトの方が比重が高いのは当然なのだから。
「俺は幸村精市。テニス部の部長だよ」
にっこりと笑って名乗った幸村に、名保は驚いたように目を瞠って、それから、傍目にもわかるほど瞳をきらきらと輝かせ、頬を赤くした。瞬間、幸村の目がすっと冷えた。このような反応をするのは、今までと同じだからに他ならない、失敗したか、と結論を出すより一瞬早く、名保がその口を開いた。
「幸村くん!もしかして去年、ひまわりの水彩画描いてなかったかな?美術室に貼りだされてた…ああ、でも違うかなあ」
「はあ?」
「ひまわり?」
後半、独りごとのようにつぶやく名保を放って、ブン太とジャッカルがわからない、と声を上げた。ふたりだけでなく、何を言い出すんだコイツ、と言葉はなくとも表情で語っている他のメンバーを置いて、問われた本人も困惑しつつ肯定した。
「去年の美術の授業では確かにひまわり描いたと思うけど…よく、知ってるね?」
確かに覚えがあった。美術の授業の一環で、水彩画で何か一つ作品を仕上げろと出された課題だ。そして“ゆきむらせいいち”という名前と同名の生徒は立海広しといえどこの幸村をおいて他にない。とはいえ、あの時期はまさにひまわりが最盛期で、他にもひまわりを描いていた生徒なんてごまんといたはずだ。その中でわざわざ幸村が何を描いていたのかを覚えているひとがいて、それを面と向かって聞いてくるとは。面倒なタイプの追っかけだったら嫌だな、と傾きかける意識の外で、名保は幸村を見たまま、やさしくふんわりと笑った。それはひどく嬉しそうで、幸村の思考も、一連の流れを見守っていたメンバーの思考も、一瞬止めてしまうほどの笑顔だった。
「ひまわりを描いてる人はいっぱいいたんだけどね、幸村くんのひまわりが、一番すてきだなって思ったの。…ほら、水彩画って淡くて優しくて繊細な雰囲気でしょ?けどね、幸村くんのひまわり、まさに!って感じの優しいきれいな絵なのにね、すっごく力強くて、生き生きしてて、まっすぐで。強くなりたいんだろうなあ、今がすっごく楽しいんだろうなあって、気持ちがまっすぐ届いて」
そっと目を眇める名保の瞼には、あの日に見たひまわりが鮮やかに咲いていた。ひまわりの絵に重ねて、描き手が見えてくるような、そんな絵だった。
上手いとか下手だとかは名保にはわからない。ただ、たくさん並ぶ絵の中で、幸村のひまわりだけが名保の心を揺さぶったのだ。それは衝撃と言っていい。絵を描く立場の人間として、決して無視などできない、鮮やかな、閃光のような衝撃だったのだ。
「私、油絵を専攻しててね、水彩はすごく苦手なの。絵はどれもそうだけど、水彩はもっと素直に描いてる人を浮かび上がらせる気がするから。私、あんなにまっすぐ絵に向き合ってないなって、だから水彩で描くの苦手だって思っちゃうのかなって、気づかされたの。あれ以来、水彩も練習するようになってね、そしたらなんだか、自分の世界が広がっていくような気がして。だからずっと、あのひまわりを描いた“ゆきむらせいいち”くんに会ってみたかったの。それで、ありがとうって言いたくて」
改めて、ありがとうと言いながら頭を下げた名保に、その場の全員が困惑していた。幸村でさえも。
“強くなりたいんだろう”、“今がすごく楽しいんだろう”、そう名保は言った。それは特にその頃の幸村の本質で本心だった。美術の教師もクラスメイトも、そんな言葉を幸村にかけることはなかったのに。
「…紅槻さんは、美術部なの?」
「あ、うん。今展覧会用の絵と、あと、水彩でひまわり、描いてるの」
まだ全然、上手くいかないけど。
照れながら苦笑して、手で髪を梳く。照れ隠しの癖だな、と柳はやわらかい気持ちで名保を見た。彼女の言葉は本物だ。その笑顔にも輝いた瞳にも、嘘などひとつもない。これが偽りだとすれば、多分柳は二度と“女”を信用などできなくなるだろうと、思わせるだけの笑顔だった。
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怪談3、ほのぼのターン終了です
こっからホラーなんですけどね、いけるのかこれ、この雰囲気で(笑)
かっこわらい
もっとはっちゃけた主人公にすべきだったんだろうなと思いつつ
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