傾向
管理人の嗜好の傾向。
[CP]
・主人公は基本右。
・リバは基本的にナシ。
・公式イケメンは基本左。
・受けキャラ至上主義。
・受けキャラがいればあとはなんでもいい。
・かっこいくてもかわいい。
・かわいくてもかっこいい。
・お兄ちゃん/ギャップ萌え属性
・女の子/NLCPもすき。
-----------------------------------
・テニス(幸村くん中心)
仁幸(仁)、282、白幸、柳幸
跡幸など幸村右と、リョマ右も
・イナイレ(円堂さん右)
ブレイク、海外、バンガゼ
円春・ウル円
・FF7(クラウド右)
セフィクラ至上
・ハルヒ(キョン右)
古キョン、会キョン
キョン長
[dream]
・男主and女主
・恋愛≦仲間・友情
-----------------------------------
(ただ今の萌え)
・片倉小十郎(BSR)
伊達正宗(BSR)
松永久秀(BSR)
・幸村精市(TNS)
白石蔵ノ介(TNS)
・クロロ(H×H)
なんか趣味がばれる…
夢は読むのと書くのではジャンルに差異あり
[CP]
・主人公は基本右。
・リバは基本的にナシ。
・公式イケメンは基本左。
・受けキャラ至上主義。
・受けキャラがいればあとはなんでもいい。
・かっこいくてもかわいい。
・かわいくてもかっこいい。
・お兄ちゃん/ギャップ萌え属性
・女の子/NLCPもすき。
-----------------------------------
・テニス(幸村くん中心)
仁幸(仁)、282、白幸、柳幸
跡幸など幸村右と、リョマ右も
・イナイレ(円堂さん右)
ブレイク、海外、バンガゼ
円春・ウル円
・FF7(クラウド右)
セフィクラ至上
・ハルヒ(キョン右)
古キョン、会キョン
キョン長
[dream]
・男主and女主
・恋愛≦仲間・友情
-----------------------------------
(ただ今の萌え)
・片倉小十郎(BSR)
伊達正宗(BSR)
松永久秀(BSR)
・幸村精市(TNS)
白石蔵ノ介(TNS)
・クロロ(H×H)
なんか趣味がばれる…
夢は読むのと書くのではジャンルに差異あり
dream menu
[Dream Menu]
メモ段階のようなものなので、いずれも名前変換に未対応。
一定以上溜まったらなんとかするかと…今は未定。
←↑古 新↓→
※BASARA作品について※
1、2英雄外伝、3宴のみプレイ済
他はプレイ予定ありません。3キャラは出る場合が無きにしも非ず、ですが3のストーリーに関することは無視する可能性高いです。武将について――特に伊達家については様々捏造しておりますので、史実が好き、捏造嫌いな方は読まずにお帰り下さい。
ちなみにアニメも映画も未視聴。基本的に英雄外伝のみで稼働してます。
※テニス作品について※
資料は20.5/40.5巻のみ、知識穴だらけです。
妄想や捏造、原作との相違をスルーできない方は閲覧をお控えください。
各話タイトルオンマウスで説明有
■男主人公
・戦国BASARA
「双竜と鳳雛」
[成長編] 01/02/03/04/05/…
[幼少編] 01/02/03/04(sss)/…
[番外編・梟と鳳雛] 01/…
・Hunter×Hunter
「愛本家と蜘蛛」
01/02/03/…
・One Piece
「夕暮」
01/…
・Whithle!
「青風」
01/…
・Lucky Dog 1
「黒猫ちゃん」
01/02/…
■女主人公
・戦国BASARA
「お嫁様」
「愛姫」
01/…
「家族シリーズ」
さみしがりな君へ5のお題(幼少期)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
夜露に濡れた仔猫(元就)
怖がらないで、甘えてごらん(佐助)
放っておけない(政宗)
躊躇いは捨てろ(小十郎)
いつでも近くにいるよ(幸村)
・The Prince of Tennis
「青い道」
01/1.5/02/03/04/4.5/05/5.5/06/
6.5/07/08/09/10/…
「立海大家族!」
設定とsss/病気の話/…
「学校の怪談」
01/…
「チェリー」
01/…
「彼と彼と彼女の話」
01/02/…
「たまごの中の愛の色(仮題)」
01/02/03/04/05/06/6.5/07/…
■短編(男女混合/オンマウスで説明)
・戦国BASARA
戦国時代10題
[配布元:沈黙夜宮(ttp://karis.obihimo.com/c/)]
血生臭い夕焼けの戦場を駆けて行く
可憐なる姫よ、戦に出でよ
我が屍の先に天下があるのならば、越えて行け
華の武将に影の忍
・The Prince of Tennis
たったひとつのその椅子に、
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「そろそろ、機嫌を直してくれないか」
[オムニバス形式短編集]
もういい加減
その他メモ記事
Title/お嫁様メモ/夢設定/双竜ネタメモ/OPメモ
メモ段階のようなものなので、いずれも名前変換に未対応。
一定以上溜まったらなんとかするかと…今は未定。
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※BASARA作品について※
1、2英雄外伝、3宴のみプレイ済
他はプレイ予定ありません。3キャラは出る場合が無きにしも非ず、ですが3のストーリーに関することは無視する可能性高いです。武将について――特に伊達家については様々捏造しておりますので、史実が好き、捏造嫌いな方は読まずにお帰り下さい。
ちなみにアニメも映画も未視聴。基本的に英雄外伝のみで稼働してます。
※テニス作品について※
資料は20.5/40.5巻のみ、知識穴だらけです。
妄想や捏造、原作との相違をスルーできない方は閲覧をお控えください。
各話タイトルオンマウスで説明有
■男主人公
・戦国BASARA
「双竜と鳳雛」
[成長編] 01/02/03/04/05/…
[幼少編] 01/02/03/04(sss)/…
[番外編・梟と鳳雛] 01/…
・Hunter×Hunter
「愛本家と蜘蛛」
01/02/03/…
・One Piece
「夕暮」
01/…
・Whithle!
「青風」
01/…
・Lucky Dog 1
「黒猫ちゃん」
01/02/…
■女主人公
・戦国BASARA
「お嫁様」
「愛姫」
01/…
「家族シリーズ」
さみしがりな君へ5のお題(幼少期)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
夜露に濡れた仔猫(元就)
怖がらないで、甘えてごらん(佐助)
放っておけない(政宗)
躊躇いは捨てろ(小十郎)
いつでも近くにいるよ(幸村)
・The Prince of Tennis
「青い道」
01/1.5/02/03/04/4.5/05/5.5/06/
6.5/07/08/09/10/…
「立海大家族!」
設定とsss/病気の話/…
「学校の怪談」
01/…
「チェリー」
01/…
「彼と彼と彼女の話」
01/02/…
「たまごの中の愛の色(仮題)」
01/02/03/04/05/06/6.5/07/…
■短編(男女混合/オンマウスで説明)
・戦国BASARA
戦国時代10題
[配布元:沈黙夜宮(ttp://karis.obihimo.com/c/)]
血生臭い夕焼けの戦場を駆けて行く
可憐なる姫よ、戦に出でよ
我が屍の先に天下があるのならば、越えて行け
華の武将に影の忍
・The Prince of Tennis
たったひとつのその椅子に、
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「そろそろ、機嫌を直してくれないか」
[オムニバス形式短編集]
もういい加減
その他メモ記事
Title/お嫁様メモ/夢設定/双竜ネタメモ/OPメモ
CP story
[CP story Menu]
CP要素のあるSSはこちら。
基本的に男×男のCPしかありません。
←↑古 新↓→
※テニス作品について※
資料が20.5/40.5巻のみなので、原作と相違する点が多々あるかと思いますが、それをご了承いただける方のみご覧ください。
捏造や妄想が苦手な方には全く向いておりません。
タイトルオンマウスで簡単に説明
■The Prince of Tennis
・幸村くんと仁王(仁幸仁)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
即物的恋愛十題
「珍獣の飼い方10の基本」
まずはかわいがってきにいってもらいましょう
とてもきちょうで、めったにてにはいりません
かわったものにきょうみをもちます
だっそうにきをつけましょう
さびしがらせてはいけません
かまいすぎるのはあまりよくありません
おこらせるとおもわぬはんげきをうけます
かいぬしのへんかにびんかんです
きほんてきにマイペースです
ていきてきにけづくろいをしてあげましょう
・幸村くんとみんな
「果てなき世界と果てなき僕ら」
支部連絡会編
01/02/03/…
[短編]
・幸村くんと仁王(仁幸二)
[title by Discolo(ttp://discolo.tuzikaze.com/)]
この手には微かでも確かな温もり
・他幸村くん受けとか
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「僕がいなきゃ駄目だって、気にさせるんですよ」
■涼宮ハルヒ[凍結]
・古キョン
スレてる3年前古泉と現代キョンくん 01/02…
エイプリルフール
さくらんぼのへた
りんご飴 01/02/03…
安眠と羊?
父と子 01/02…
きょうだい
プレゼント
他お蔵入り1
CP要素のあるSSはこちら。
基本的に男×男のCPしかありません。
←↑古 新↓→
※テニス作品について※
資料が20.5/40.5巻のみなので、原作と相違する点が多々あるかと思いますが、それをご了承いただける方のみご覧ください。
捏造や妄想が苦手な方には全く向いておりません。
タイトルオンマウスで簡単に説明
■The Prince of Tennis
・幸村くんと仁王(仁幸仁)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
即物的恋愛十題
「珍獣の飼い方10の基本」
まずはかわいがってきにいってもらいましょう
とてもきちょうで、めったにてにはいりません
かわったものにきょうみをもちます
だっそうにきをつけましょう
さびしがらせてはいけません
かまいすぎるのはあまりよくありません
おこらせるとおもわぬはんげきをうけます
かいぬしのへんかにびんかんです
きほんてきにマイペースです
ていきてきにけづくろいをしてあげましょう
・幸村くんとみんな
「果てなき世界と果てなき僕ら」
支部連絡会編
01/02/03/…
[短編]
・幸村くんと仁王(仁幸二)
[title by Discolo(ttp://discolo.tuzikaze.com/)]
この手には微かでも確かな温もり
・他幸村くん受けとか
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「僕がいなきゃ駄目だって、気にさせるんですよ」
■涼宮ハルヒ[凍結]
・古キョン
スレてる3年前古泉と現代キョンくん 01/02…
エイプリルフール
さくらんぼのへた
りんご飴 01/02/03…
安眠と羊?
父と子 01/02…
きょうだい
プレゼント
他お蔵入り1
女性向けブログサイトです。(詳細はABOUTにて)
2008/12/14 (Sun)
兄弟もの。暗い。
*古泉とキョンが兄弟です。キョンが弟。
*くらい話になります。
*ついでになんか古泉が古泉じゃないです。病んでるっぽい。
*気分悪くなる感じの話なので気をつけてください。
*キョンは古泉のことが嫌いで、古泉はキョンのことが大好きです。
*虐待、とかそういう話になるかもしれません。
*しかし続くかどうかはわかりません!←
「古泉一樹です。どうぞよろしく」
そう言って俺の目の前に現れたこの男を殴らなかった俺を、全力で褒め称えたい。
いけしゃあしゃあと。よくもまあ、俺の前に顔を出せたものだ。
怒りと呼ぶにはいささかどす黒い感情に拳を握りしめて耐えながら、俺はその男の差し出す手を握った。
その男…3年前突然失踪した、我が双子の兄の手を。
「キョンくん、お久しぶりです」
聞いたことのない、気持ちの悪い敬語で、目の前の男は俺に話を振ってきた。
文芸部室で再会してしまってから一週間後の放課後。
何故かこの男とふたりきりの部室で、ついに話を振られてしまった。
それまでは涼宮やら長門やら朝比奈さんがいて、わざわざこいつと話すなんて無駄なことをしないでいたのだが、二人きりになってしまっては俺にも避けようがない。
そうだ、俺は避けていた。この男と話をするような機会を。
「……」
「おうちの方は…どうですか?何か、変わりはありましたか?」
この男が口を開くたび、じわじわと、自分のなかに汚いものが広がっていくのを感じる。
ああ、いやだ。なんだってこいつは、俺にそんな話を振ってくるんだ。
もう今更、お前には何の関係もないことだろう。
そう言ってやればいいのだろうが、そのためにこいつと会話をせねばならんことがいやで、俺はただ黙ったままで、朝比奈さんと長門を連れ去っていった涼宮の帰りを待った。
まったく、なんだってこんなときにいないんだか、空気読めよな!
「…あ、あなたが…僕のことを気に入らないのは…わかります。でも、僕は、やっぱりキョンくんと…」
「呼ぶなよ」
「え?」
「お前が、俺をそういう風に呼ぶんじゃねぇ!」
バンッ、と思わず叩きつけてしまった机が、衝撃でぐらぐらと揺れていた。
いや、揺れていたのは本当に机だったかも自信がない。
そのとき、俺の脳内も机と同じくらいにぐらぐらと揺れていた。こみあげてくる嫌悪感と怒りに。
「…いいか、“古泉”」
何がわかるというんだ。
何か知らんが突然家を捨てて出て行って、こうして俺の前にへらへらした笑顔を浮かべてあらわれる。
そんな自分勝手もいいところ、なお前に。
「3年前までには確かにいた、俺の双子の兄貴はな、」
勝手に家族を捨てたくせに、こうしてまた家族の中に入ろうとしてくる。最低だ。最低、その言葉に尽きるね!
「俺の中じゃ、もう死んでるんだ。うちの家族は4人、父さんと母さん、妹に、俺だけだ!」
お前が踏み込んでいい場所じゃない。
お前が入る場所なんざ、もうなくなっちまってるんだ。
「っ…」
言いきって、俺は音をたてて席を立った。
これ以上、話すことも聞くこともない。一緒の空間にいることだっていやだ。
乱暴に鞄を掴んで、さっさと帰ろうと、何も言えないでいる古泉を無視してドアノブを握った。
「ま、まって!まって、ください…!」
それは必死な叫びに聞こえた。
だが、俺はそんなものに動揺することもなく、ただ一言、
「涼宮に、先に帰るって伝えといてくれ」
それだけを捨てて、部室を後にした。
もしかしたら、なんてことは、考えないと決めていた。
もしかしたら、やむを得ない事情があったんじゃないかとか。
もしかしたら、一樹はずっと、帰ってきたかったのかもしれないとか。
もしかしたら、ひとりでいる間に、酷い目にあったりとか、したのかもしれないとか。
もしかしたら。
そんなの、何一つとして根拠はないし、あったとして、今更、だ。
俺はもう、一樹なんて兄弟はいないことに決めていたし、幼い妹にも、そう教えた。
もともと嫌いだった。いなくなって清々していたのは事実だ。
だから。
傷ついたような、泣きそうな、そんな表情を見たくなくて、俺はずっと顔を伏せていた。
大丈夫。
大丈夫だ。
何度も何度も、自分にそう言い聞かせていた。
最初に再会した時から、毎日毎日。
そうしないと、足がすくんで、声が震えて、作りこんだはずの笑顔が揺らいでしまう。
手を差し出したとき、彼は僕の手を握り返してくれた。
僕が覚えていたのよりも、ひと回りは大きくなった手のひらは、あの頃と変わらない温度だった。
握り返してくれた。
そのことが大切だった。大事だった。それだけが。
その前に、見たこともないような歪んだ表情を、僕はなかったことにしたのだ。だって、見たくない。
キョンくんは僕の大切な大切な半身で、だからこそ、僕のこともわかってくれる。大丈夫。
だから彼が、そんな顔をするなんて嘘だ。
ただ、僕が長い間彼の側を離れてしまったから、そして突然こうして戻ってきたから、驚いているだけだ。
大丈夫。
結果的に、その言葉は、ただの希望でしかなかったのだけれど。
キョン君がいなくなった後の部室で、僕は震える手を、足を、唇を、とどめることができなかった。
見たことのないほど強い瞳で、彼は僕をにらんでいた。
嘘だ。だって彼は僕の半身なんだから。きっと僕をわかってくれる、理解してくれる。
今はまだ詳細を話せないけれど、それさえもわかってくれるはずなの、に。
あんなキョン君は、見たことがない。
ずっと、一緒にいた頃には、良く笑ってその分わがままも言ったりして、そして僕には常に、まっすぐ優しい瞳だけを向けてくれていた。それなのに。
おれのなかじゃ、もうしんでるんだ
死んでいる?誰が。僕が?違う、僕は生きている!
こうしてここに生きて、そうしてようやく会いに来たのに!
どうして。
どうしてどうして!
何が、彼を変えてしまったんだ。
僕がいない間に、彼を変えてしまったのは、いったい何だ。
ぶるぶると、先ほどとは違う理由で、握った手のひらが震える。
「あれ、古泉君だけ?あのバカは?」
突然、ここにいないはずの声が聞こえた。
とっさに表情を取り繕って、彼女に困ったようにほほえんだ。
さて、キョンくんのことをなんと説明しようか。
そして、今から早退する僕のことも。
学校から、機関に与えられた部屋へ戻る途中、新川さんの運転するタクシーに拾われた。
中には森さんも乗っていて、ああ、今日の早退についてとやかく言われるのだろうか、と思うとげっそりした。
僕は彼女が苦手だから。
「古泉、わかっているわね?」
「ええ、わかっていますよ。・・・放課後のことは、少々短慮にすぎました」
そういって口先だけで謝っても、彼女には通じないことは重々わかっている。
だが、だからといってあったことすべてを事細かに話すなんて冗談じゃない。
「・・・・・・まぁ、そのことは今はいいわ」
しばらく僕をじっと見つめた後、森さんは小さくため息をついて話題を切り替えにかかった。
えらくあっさり引いたことを些か疑問に思わないでもなかったが、話がそれてくれたことが嬉しいことに変わりない。
なんですか、と促して、僕は座席に深く腰掛けた。
「神の『鍵』と呼ばれる彼のことよ」
森さんの言葉に、僕の体は大げさに揺れた。
機関に、僕と彼が兄弟であることはすでにばれている。
というか、隠しようがなかった。機関の人間が、3年前のキョンくんにあっているのだから。
「彼に・・・何かあったのですか」
「いいえ、そういうことではありません」
いいから落ち着きなさい、と鋭く僕を睨み付けながら、森さんはぴしゃりと言う。
彼に何かあったわけではないのなら、そう焦ることはないと自分をなだめすかして、座席に座り直す。
視線は興味もないが窓の外だ。
「貴方と『鍵』が兄弟であることは私たちもしっていますが、私たちはひとつ、あなたに伝えていないことがあります。彼のことで」
僕は、目を剥いて彼女を見た。
僕が機関に身を寄せることになったとき、僕が行く代わりに、家族のことを逐一報告して欲しいと交換条件を突きつけたのは僕で、だが機関もそれを納得して僕を引き入れたはず。
それが、守られていなかったというのだろうか。
僕が人づてに聞いていた家族の・・・キョン君の生活は、嘘だったというのだろうか。
どういうことかとつかみかかりそうになる自分を理性で押しとどめて、だが隠しきれなかった動揺と怒りを唇に載せて森さんに詰め寄る。
「どういう、ことですか・・・!」
「・・・あなたの精神を安定させるためよ。真実を聞いて、貴方が使い物にならなくなったら、世界が崩れてしまうかもしれない。そんなリスク、こちらは負うつもりなんてないもの」
カッ、と頭に血が上った。
握りしめた拳をとっさに振り上げたが、それは彼女に振り下ろされることはなかった。
「古泉君、落ち着きなさい」
運転席から身を乗り出して、新川さんが僕の腕を握りしめていた。
見れば、タイミング悪く赤信号で、ああだから新川さんが、と関係ないことを考えれば、少しだけ冷静な自分が戻ってきた。
嘘を教えられていた事実は僕を怒りに駆り立ててやまないが、ここで彼女を気の済むまで殴ったとしても、僕は彼の本当の情報を得ることができなくなってしまう。
それどころか、機関の力でもう彼に会わせないようにされるかもしれない。
そこまで考えが及んでようやく、僕は腕から力を抜いて新川さんの腕を振り払った。
「・・・それで、実際に彼の生活は、どういうものだったんですか」
今まで、長門さんバリに無表情だった森さんの瞳が、少しだけ、ほんのわずかに、揺れた。
その揺れに、僕は心がざわついてたまらなくなった。いやだ、よくないことなのか。
「落ち着いて聞きなさい」
その後の言葉は、僕の三年を打ち砕くに、十分すぎるしろもの、だった。
「・・・彼は、虐待を受けていたのよ」
*くらい話になります。
*ついでになんか古泉が古泉じゃないです。病んでるっぽい。
*気分悪くなる感じの話なので気をつけてください。
*キョンは古泉のことが嫌いで、古泉はキョンのことが大好きです。
*虐待、とかそういう話になるかもしれません。
*しかし続くかどうかはわかりません!←
「古泉一樹です。どうぞよろしく」
そう言って俺の目の前に現れたこの男を殴らなかった俺を、全力で褒め称えたい。
いけしゃあしゃあと。よくもまあ、俺の前に顔を出せたものだ。
怒りと呼ぶにはいささかどす黒い感情に拳を握りしめて耐えながら、俺はその男の差し出す手を握った。
その男…3年前突然失踪した、我が双子の兄の手を。
「キョンくん、お久しぶりです」
聞いたことのない、気持ちの悪い敬語で、目の前の男は俺に話を振ってきた。
文芸部室で再会してしまってから一週間後の放課後。
何故かこの男とふたりきりの部室で、ついに話を振られてしまった。
それまでは涼宮やら長門やら朝比奈さんがいて、わざわざこいつと話すなんて無駄なことをしないでいたのだが、二人きりになってしまっては俺にも避けようがない。
そうだ、俺は避けていた。この男と話をするような機会を。
「……」
「おうちの方は…どうですか?何か、変わりはありましたか?」
この男が口を開くたび、じわじわと、自分のなかに汚いものが広がっていくのを感じる。
ああ、いやだ。なんだってこいつは、俺にそんな話を振ってくるんだ。
もう今更、お前には何の関係もないことだろう。
そう言ってやればいいのだろうが、そのためにこいつと会話をせねばならんことがいやで、俺はただ黙ったままで、朝比奈さんと長門を連れ去っていった涼宮の帰りを待った。
まったく、なんだってこんなときにいないんだか、空気読めよな!
「…あ、あなたが…僕のことを気に入らないのは…わかります。でも、僕は、やっぱりキョンくんと…」
「呼ぶなよ」
「え?」
「お前が、俺をそういう風に呼ぶんじゃねぇ!」
バンッ、と思わず叩きつけてしまった机が、衝撃でぐらぐらと揺れていた。
いや、揺れていたのは本当に机だったかも自信がない。
そのとき、俺の脳内も机と同じくらいにぐらぐらと揺れていた。こみあげてくる嫌悪感と怒りに。
「…いいか、“古泉”」
何がわかるというんだ。
何か知らんが突然家を捨てて出て行って、こうして俺の前にへらへらした笑顔を浮かべてあらわれる。
そんな自分勝手もいいところ、なお前に。
「3年前までには確かにいた、俺の双子の兄貴はな、」
勝手に家族を捨てたくせに、こうしてまた家族の中に入ろうとしてくる。最低だ。最低、その言葉に尽きるね!
「俺の中じゃ、もう死んでるんだ。うちの家族は4人、父さんと母さん、妹に、俺だけだ!」
お前が踏み込んでいい場所じゃない。
お前が入る場所なんざ、もうなくなっちまってるんだ。
「っ…」
言いきって、俺は音をたてて席を立った。
これ以上、話すことも聞くこともない。一緒の空間にいることだっていやだ。
乱暴に鞄を掴んで、さっさと帰ろうと、何も言えないでいる古泉を無視してドアノブを握った。
「ま、まって!まって、ください…!」
それは必死な叫びに聞こえた。
だが、俺はそんなものに動揺することもなく、ただ一言、
「涼宮に、先に帰るって伝えといてくれ」
それだけを捨てて、部室を後にした。
もしかしたら、なんてことは、考えないと決めていた。
もしかしたら、やむを得ない事情があったんじゃないかとか。
もしかしたら、一樹はずっと、帰ってきたかったのかもしれないとか。
もしかしたら、ひとりでいる間に、酷い目にあったりとか、したのかもしれないとか。
もしかしたら。
そんなの、何一つとして根拠はないし、あったとして、今更、だ。
俺はもう、一樹なんて兄弟はいないことに決めていたし、幼い妹にも、そう教えた。
もともと嫌いだった。いなくなって清々していたのは事実だ。
だから。
傷ついたような、泣きそうな、そんな表情を見たくなくて、俺はずっと顔を伏せていた。
文章スランプ!
大丈夫。
大丈夫だ。
何度も何度も、自分にそう言い聞かせていた。
最初に再会した時から、毎日毎日。
そうしないと、足がすくんで、声が震えて、作りこんだはずの笑顔が揺らいでしまう。
手を差し出したとき、彼は僕の手を握り返してくれた。
僕が覚えていたのよりも、ひと回りは大きくなった手のひらは、あの頃と変わらない温度だった。
握り返してくれた。
そのことが大切だった。大事だった。それだけが。
その前に、見たこともないような歪んだ表情を、僕はなかったことにしたのだ。だって、見たくない。
キョンくんは僕の大切な大切な半身で、だからこそ、僕のこともわかってくれる。大丈夫。
だから彼が、そんな顔をするなんて嘘だ。
ただ、僕が長い間彼の側を離れてしまったから、そして突然こうして戻ってきたから、驚いているだけだ。
大丈夫。
結果的に、その言葉は、ただの希望でしかなかったのだけれど。
キョン君がいなくなった後の部室で、僕は震える手を、足を、唇を、とどめることができなかった。
見たことのないほど強い瞳で、彼は僕をにらんでいた。
嘘だ。だって彼は僕の半身なんだから。きっと僕をわかってくれる、理解してくれる。
今はまだ詳細を話せないけれど、それさえもわかってくれるはずなの、に。
あんなキョン君は、見たことがない。
ずっと、一緒にいた頃には、良く笑ってその分わがままも言ったりして、そして僕には常に、まっすぐ優しい瞳だけを向けてくれていた。それなのに。
おれのなかじゃ、もうしんでるんだ
死んでいる?誰が。僕が?違う、僕は生きている!
こうしてここに生きて、そうしてようやく会いに来たのに!
どうして。
どうしてどうして!
何が、彼を変えてしまったんだ。
僕がいない間に、彼を変えてしまったのは、いったい何だ。
ぶるぶると、先ほどとは違う理由で、握った手のひらが震える。
「あれ、古泉君だけ?あのバカは?」
突然、ここにいないはずの声が聞こえた。
とっさに表情を取り繕って、彼女に困ったようにほほえんだ。
さて、キョンくんのことをなんと説明しようか。
そして、今から早退する僕のことも。
学校から、機関に与えられた部屋へ戻る途中、新川さんの運転するタクシーに拾われた。
中には森さんも乗っていて、ああ、今日の早退についてとやかく言われるのだろうか、と思うとげっそりした。
僕は彼女が苦手だから。
「古泉、わかっているわね?」
「ええ、わかっていますよ。・・・放課後のことは、少々短慮にすぎました」
そういって口先だけで謝っても、彼女には通じないことは重々わかっている。
だが、だからといってあったことすべてを事細かに話すなんて冗談じゃない。
「・・・・・・まぁ、そのことは今はいいわ」
しばらく僕をじっと見つめた後、森さんは小さくため息をついて話題を切り替えにかかった。
えらくあっさり引いたことを些か疑問に思わないでもなかったが、話がそれてくれたことが嬉しいことに変わりない。
なんですか、と促して、僕は座席に深く腰掛けた。
「神の『鍵』と呼ばれる彼のことよ」
森さんの言葉に、僕の体は大げさに揺れた。
機関に、僕と彼が兄弟であることはすでにばれている。
というか、隠しようがなかった。機関の人間が、3年前のキョンくんにあっているのだから。
「彼に・・・何かあったのですか」
「いいえ、そういうことではありません」
いいから落ち着きなさい、と鋭く僕を睨み付けながら、森さんはぴしゃりと言う。
彼に何かあったわけではないのなら、そう焦ることはないと自分をなだめすかして、座席に座り直す。
視線は興味もないが窓の外だ。
「貴方と『鍵』が兄弟であることは私たちもしっていますが、私たちはひとつ、あなたに伝えていないことがあります。彼のことで」
僕は、目を剥いて彼女を見た。
僕が機関に身を寄せることになったとき、僕が行く代わりに、家族のことを逐一報告して欲しいと交換条件を突きつけたのは僕で、だが機関もそれを納得して僕を引き入れたはず。
それが、守られていなかったというのだろうか。
僕が人づてに聞いていた家族の・・・キョン君の生活は、嘘だったというのだろうか。
どういうことかとつかみかかりそうになる自分を理性で押しとどめて、だが隠しきれなかった動揺と怒りを唇に載せて森さんに詰め寄る。
「どういう、ことですか・・・!」
「・・・あなたの精神を安定させるためよ。真実を聞いて、貴方が使い物にならなくなったら、世界が崩れてしまうかもしれない。そんなリスク、こちらは負うつもりなんてないもの」
カッ、と頭に血が上った。
握りしめた拳をとっさに振り上げたが、それは彼女に振り下ろされることはなかった。
「古泉君、落ち着きなさい」
運転席から身を乗り出して、新川さんが僕の腕を握りしめていた。
見れば、タイミング悪く赤信号で、ああだから新川さんが、と関係ないことを考えれば、少しだけ冷静な自分が戻ってきた。
嘘を教えられていた事実は僕を怒りに駆り立ててやまないが、ここで彼女を気の済むまで殴ったとしても、僕は彼の本当の情報を得ることができなくなってしまう。
それどころか、機関の力でもう彼に会わせないようにされるかもしれない。
そこまで考えが及んでようやく、僕は腕から力を抜いて新川さんの腕を振り払った。
「・・・それで、実際に彼の生活は、どういうものだったんですか」
今まで、長門さんバリに無表情だった森さんの瞳が、少しだけ、ほんのわずかに、揺れた。
その揺れに、僕は心がざわついてたまらなくなった。いやだ、よくないことなのか。
「落ち着いて聞きなさい」
その後の言葉は、僕の三年を打ち砕くに、十分すぎるしろもの、だった。
「・・・彼は、虐待を受けていたのよ」
まさかのてんかい!
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