40.5巻

とりあえず立海と四天を目を皿にして読みました

柳181＞白石178＞柳生177＞仁王＝幸村＝跡部175
という身長差にくっそ萌えた
学校のこといろいろ知れたのはすごく嬉しかったな…
というか、ほんとファンブック、女性向けすぎて…どういう…
あっ休日に柳と幸村くんが私服デートしてるんだってナニソレ私得


続きはゆめ、閑話。

*テニス閑話












「そういえば紅槻さん、文化部の方はもう決めたん？」
「え？」

部活中、ウォーミングアップを行っている途中の白石君の言葉に、あたしはぽかんと彼を見返した。
え、何言ってんの、あたしテニス部に入ってんじゃん。
白石君の言葉の意味を掴みかねて、そう言い返せば、白石君こそ何言ってんねんとばかりに顔を怪訝そうにゆがめた。

「テニス部は運動部やろ？文化部も入らなアカンて、あれ、聞いてへんかった？」
「…聞いてへんかった…」

聞けば、四天宝寺中学は運動部と文化部の両方に所属することが義務付けられているらしく、それを知らなかったあたしは当然、まだ文化部を決めてさえいなかった。
というかそもそも、テニス以外に興味が無いのだから選択肢として浮かぶこともなく考えたこともなく、何部があるのかさえ知らない。
えええ、面倒くさい。
とはいえ義務だと言うのだから何かしら決めないといけないとは思うけれど…忙しい文化部は絶対に嫌だ。

「ちなみに白石君は何部？」
「俺か？俺は新聞部や。毎月出てる校内新聞作ってんねんけど、そこで俺、連載書かしてもろてんねんで」
「えっまじかあ！」

にやりと得意そうに白石君が笑った。
連載とか、なんだか本格的な新聞部っぽいな、素直にスゴイ。
それよりも、そういうのまあ出来なそうには全然見えないけどちょっと意外だった。
比呂士なんかは詩歌を載せてもらったりしてたけど、正直ああいうのはあたしは恥ずかしくていけない。

「新聞部ねえ…忙しそうだし、却下かなあ」
「却下か、残念やなあ。でも、俺はこっちの部長やらしてもろてるからって色々免除してもらってるとこあるもんなあ。他の部員とか普通に忙しそうやわ」
「肩書って便利だあ～…うーん、まあ、幽霊部員でもいいんだったら名前だけ貸すけどさ」
「せっかくやから両方楽しんだらどうや？もったいないやん」

白石君の言葉に、あたしはでもただ唸るだけ。
言い分は解る。
やってみたら意外と楽しいかもしれない。
でもそれよりも今のあたしはやっぱりテニスしていたいし。

「ちなみに何部があんの？」
「せやなあ、…お笑い研究部やろー」
「それはないや」
「即答か…じゃあ落語もないな」
「ないね。あたしココに転校してきて、大阪のノリはやっぱり難しいなって体感中だし」
「色々ノッてみたら結構楽しいねんで？」
「楽しいのはいいけど…自分でやるのはなあ…正直全校集会とか、多分もう一生出ないよあたし」

四天宝寺中に転校してきてから知ったこの学校の風潮は、到底あたしにはなじめるものではなく、特に度々行われる全校集会での校長の面白話にコケなきゃいけない(強制)ってのがほんとに、白石君には悪いけどちょっと引いた。
お笑いだって向き不向きがあると思う…見るのは好きだけどね、自分でやるとなると、そこまで笑いにいろんなものを懸けられないというか。

「サボりはアカンで…」
「とか言いつつ、白石君はきっと認めてくれると信じてる」

わざと困ったような表情で見つめてやれば、しばらくして諦めたように白石君がため息を吐いた。

「今の話はナシや。俺は何もき聞いとらんかった」
「さっすが部長！で、ええっと…文化部。なんかおススメとかない？」

ぐぐ、と肩を押し込んでストレッチのお手伝いをしつつ問いかければ、息を吐きながら上体を倒した白石君が律儀に答えてくれる。

「演劇部とか軽音部なんかは結構活動が頻繁やし、アカンかもなあ。紅槻さん、ワンマンのがええんやろ？」
「あ、それはそうかも。居ても居なくてもいいって思ってもらえるくらいでちょうどいいし…本気の人たちの邪魔したいわけじゃないしねえ」
「せやったら…」

よいしょと身体を起こした白石君と場所を変わって、今度はあたしの背を白石君が押す。
柔軟にはそれなりに自信があるから、力のままにぺたりと上体を床に付ければ背後で「おお」と聞こえた。

「美術部か文芸部か、アップリケ部てのもあるで？」
「ブッ！…家庭科部とかじゃなくて、アップリケ専門なの？何それ！」

次は立って、背中合わせで腕を組む。
お互いを背中に乗せるアレだ。
まずは白石君があたしの腕を引いて、あたしは背中に身体を預けきって足をぷらぷらさせる。
さすが男子、あたしひとり浮かせるとは。

「そうそう、アップリケ専門やから繕いものもよーせえへんねんで」
「えええっしてくれたっていいのにねえ」
「ホンマや」

ストン、と地面に下ろされて、今度は反動であたしが白石君を持ち上げる番。
とはいえ、上背も体重も上手の白石君が軽々と持ち上がるはずもなく。
ぐぬぬ、と呻いてみても白石君の足が地面から離れることはなかった。
悔しい。

「美術部、かなあ…」
「なん、美術興味あんの？」
「幼なじみの趣味なだけだけどね。絵を描くのは好きだし」

精市はよく絵画の画集を見たり美術館に行ったり、そして自分で描いていたりした。
テニスをしないときは決まってそうやって絵に浸るかガーデニングをしているかの二択だったおかげで、自然とあたしも美術や園芸に興味を持つようになった。
なんだかあたしの基盤は全部精市がつくってるみたいだけれど、なんとなく、あながち間違っていないと思うのだから少し問題かもしれない。
でも本当ならば、園芸部とかがあれば、水やり当番を増やしてもらって活動を減らしてもらうのも手だなと思っていたんだけれど、ないのなら仕方ない。

「そか。……」
「？なに？」

諦めて白石君を地面にお返しして、個人のストレッチに移行する。
何やら言い淀んでいるような白石君に、あたしは首を傾げた。

「紅槻さんの描く絵、見てみたいわ」

予想外に真剣な目で見られて、思わずアホ面になってしまった。
どっちかと言えば似合わないと笑われるだろうと思っていたのに、見てみたい、と白石君は言った。
それも真剣な目で言うものだから、なんだか気恥ずかしくなって視線を逸らした。
けど、描きたい、と心に芽生えたのも確かだった。

「へったくそだけどね。…入部したら、そのうちね」

にひ、と笑った顔はきっと照れ笑いだっただろう。
あたしにつられて白石君はいつもの明るい笑顔で「約束やで」とあたしの小指を捕まえて言った。







C




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40.5巻を買った記念に
色々矛盾点が見つかったので修正していきますでー
つか、思った以上の四天宝寺のお笑い学校ぷりに、あたしは実際に四天宝寺に通えと言われたら絶望すると思った←