うわーお

幸村様のCDが欲しい…うわあ、あたし…←
でもアマゾンまで行ってしまった…引き返したけど…カートに入れそう…引き返したけど…
けどあそこまで行っちゃうと、なんかむしろいっそ買いたくなるというか…





続きはばさらの女主、短編。
微糖どころか無糖。

華の武将に影の忍





ごう、と燃える炎が頬を焼く。
吸い込む空気もすでに炎の如く熱くなり、呼吸をするたびに喉や肺を焼いていくのがわかる。
早く逃げなければ死ぬ。
わかってはいても、わたしは動かない。
美しいまでに踊る炎をただ眺め、室の上座で立ったまま。
土足で踏みしだいた畳段は無残に穢れ、ぽたりぽたりと、手に持つ刃から落ちる滴を受け止め続けている。
ふと、頬を撫でる風が少しだけ涼しさを纏った、と思うと同時に口から滑り出る声。

「終わったようだな、小太郎」
「………」

音は返らない。
しかし、より強く頬を撫でてくる一筋の風、それだけで姿の見えない彼が肯定を返したことを悟る。
それだけを確認して、わたしはようやく一歩、足を動かした。
ざり、と草履と畳の擦れる音がする。
轟々と燃える炎の中、その音だけが異質に響く。
室を横切り、燃え残っている縁側にたどり着いて、冷たい風に、火照った肌が冷えていくのを感じた。

「ならば、行くぞ」

ついて来い、とは言わない。
その返事も求めない。
それでも確かに、存在がわたしに付いてくるのを感じて自然と笑みが浮かぶ。
誰にも懐かない猫を懐かせたような気持ち、それよりも関係は恐ろしく殺伐としたものだが。
屋敷を後にし、森を抜け、飛び込んだのは、悲鳴と怒号、剣戟と銃声に満ちた戦場だ。
最も身近に居た兵を手にした刃で薙ぎ払い、その馬を奪い取ると同時に、周囲に風が吹き込み、わたしの眼前が開ける。
混乱を極めた戦場にさらに混乱を呼び込むべく、わたしは先ほどからずっと左手に掴んだままだったそれを高く掲げて声を上げた。

「我が仇敵・川中源三郎康之が首はわたしが討ち取った！！わたしは嘉応集頭領、白縫。我が首欲しくば、討ち取ってみよ！！」





*




「Hey,見な」
「……戦の流れが変わりましたな」

戦の火の粉が飛ばぬ崖の上、松明だけは消して佇む軍勢の先頭で、政宗は腹心の視線を足元へ寄せた。
己らにはさして関係のない、小大名同士の戦。
いずれ潰さねばならない相手とはいえ、今戦に水を差すほど血に飢えているわけでもないため眺めていただけだったそこで、面白いものを見た。
敵将の首級を掲げて朗々と名を述べたその兵は確かに女、そして何かを、従えている。

「おまえには見えたか？小十郎」
「…風の婆娑羅者だとは思いますが、姿は」
「ック、華の武将に影の忍、とはよく言ったもんだ」
「それは、先日武田の者が零していた…？」
「That's light.あいつのことだろう」

言って、その隻眼で食い入るように、戦場を乱した『嘉応集・白縫』と名乗った女を見つめる。
まさに舞を舞うような軽やかさ、流美さで敵を屠るその姿は確かに“華”だ。
戦場において誰よりも目を惹きつける装飾も鎧もその武器も、遠目から見てもわかる顔立ちも確かに美しいが、最も目を惹くのはその身に纏う気とも呼べるもの。
視界に入ってしまえば見つめずにはいられないほどに輝くその気があってこそ“華”なのだろう。

「だが、“華”だけじゃねえ。あの女が目立てば目立つほど、“影”の動きは見えなくなる」
「忍びにとっては動きやすいことこの上ない舞台となるわけですな」
「あの女についてる忍…猿とは違って徹底的だ。こうして外から見てりゃまだ気づくが、相対してる状態じゃ気づけるかどうか五分ってところか」
「驚くほど的確に、しかも相当の速さ。かなりの手練れで…政宗様ッ！」

小十郎が言い切る前に、クナイが風を切って飛んできた。
それは寸分違わず政宗の隻眼へ向かい、届く前に小十郎の刃で弾かれた。
いきり立つ小十郎とは真逆に、落ち着いた様子で地に落ちたクナイを拾い上げた政宗は面白そうに唇をゆがめる。

「HA!!警告、ってことかよ。見ろ小十郎」

そう言って放られたクナイを受け取った小十郎の眉間には深く皺が刻まれていたが、ひとつのため息に文句も込めて空へ吐き出し、手に納まったクナイを眺める。

「これは…川中側の忍びが用いているものですな」
「奪って投げた、っていうよりは投げられたのを弾き返したってところだろうが…それで正確に俺の左目を狙ってくるとはな」
「…政宗様の首をいつでも獲れる、と？」
「首を出せば飛ばしてやるってことだろう。HA,おもしれえ」

楽しそうにする主人に、困った癖が出たと眉間の皺を深くした小十郎は聞かないとわかっていても苦言を呈しておく。

「政宗様、」
「わかってる。今回は様子を見るだけだ。連戦するにゃあこっちの体力も万全じゃねえしな。惜しいが、どうせ天下を手にするにはやらなきゃなんねえ相手だ」

美しいほどの体捌きで敵を屠っていく女を見ながら、政宗は感じていた。
あの女、白縫とは、これきりなどではないと。
いつか必ず、ここに負けず劣らずの戦場で顔を合わせることになると。

「必ずだ。“華”も“影”も手に入れてやるぜ」











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夢になってないというそもそもの問題
そしてまた奥州という問題
小太郎のつもりだったんだけど、早々に主人公のターン終わらせたのがそもそもの失敗だよね、ウン
久しぶり婆娑羅！やっぱりたのしい！