なんつーかもう

私マイカーちゃんのこともう信じられない
バッテリー切れしたのを充電してもらったはずなのに、なんでバッテリー切れ起こすの？
意味わかんね…
もう寿命なのは知ってますけどね…
でも車買えるようなお金なんて持ってねーよ!!!
トラブル慣れしそうで嫌…



続きはテニスの続き

*テニスの続き
*幼なじみ：幸村君が登場というか幸村君しかいない











1.5





「あ、もしもしー？」
『名保？』
「うん。ちょっとぶりー。そっちはまだ部活？」
『いや、もう終わったよ』
「あれ、いつもより早くない？」
『こっちも今日は入学式だったからね。本格始動するのは明日からだよ』

学校から帰る道すがら、あたしは少し久しぶりに幼なじみに電話した。
幼なじみで、これまでずっと一緒にいたのに、久しぶりに感じるのが不思議だと思ったけど、電話越しの精市はいつも通りで、なんだか妙に安心した。

「いいなあ、あたしも精市たちとテニスしたい」
『それは俺もだよ、名保。名保は飲み込みも早いし、扱き甲斐があったのになあ』
「…必死だっただけですけどね！…ん～でも、こっちでもそれなりに楽しめそうな気はしてんだよねえ」
『何かあったのかい？』

不思議そうに問い返してくる精市に、あたしは白石君を思い浮かべて口端を上げた。

「ね、精市」
『なに？』
「白石蔵ノ介って聞いたことある？」
『白石…？名保がわざわざ聞いてくるってことはもちろん、テニスプレイヤーなんだよね？同年？』
「うん」

電話口で精市が記憶をたどっているのを感じながら、今日見た白石君のプレイを思い出す。
強く思うのは、“きれい”なテニスだったこと。
まるで教本から抜け出たような基本に忠実なスタイルが逆に珍しくて、よく覚えている。

『ごめん、聞いた覚えはなさそうだ。その白石君が、どうかしたの？』
「今年の全国、当たるかも知れないから覚えといて損はないと思って」

それは、王者の足元に、名もなき学校が立つということ。
去年は地方大会止まりだと聞いたけど、あたしにはそう思えてならなかった。
白石君は強い。
おそらく、彼自身は全国区のプレイヤーだ。
練習を見た感じ、忍足君もそれなりに強いプレイヤーのようだったし、他にも何人か目につく選手がいた。
精市と当たるってことは地区大会も県大会も関西大会も勝ち抜くことが前提だけど、なんとなく、そうなる予感がした。

『…なに、珍しいね、名保がそんな風に言うのは。…強いんだ、白石君』
「今日、負けたよ」
『え、名保が？』
「うん。5-7で」

素で驚いた精市にくすっと笑いが漏れれば、やっぱり長年の幼なじみは一瞬で気づいた。

『名保、本気でやらなかったんだね？』
「精市の言う“本気”がどれだかあたしにはわかんないけど、真剣に、全力でプレーしたよ、あたしは」
『よく言うね。“なにも使わなかったんだろ？”』

その言葉に隠される意味をあたしは正確に理解できる。
でも本気じゃなかったわけじゃない。
途中からはちょっとマジだったし。

「だって様子見のつもりだったもん。あれが二度とできない試合だったなら惜しいことしたなーって思うけど、白石君とはこの先、試合する機会くらいいくらでもとれるし、いんじゃないかなってね」
『いくらでも…って、俺達と違うんだから、そんなしょっちゅう女子の相手もできないんじゃないの？』
「それがねー！聞いてよ精市！！まったくありえないんだから！！」

それからあたしは、今日の鬱憤を晴らすように精市に女テニがないことを報告に愚痴を含めて語った。

『でも、続けるんだろ？』
「当然！！辞めるわけないし！とりあえずはテニス部に混ぜてもらえないかなーって。今顧問いないらしくて、とりあえずは顧問戻るまでは白石君も使っていいって言ってくれたし、自分の実力にあったスクール探す時間とか考えたら、白石君が相手してくれるんだったらいいかなーって」
『そうだね。名保の実力ならそのへんのスクールの年齢規定の枠じゃちょっとつまらないだろうし、良い判断なんじゃないかな』
「だよね！うん、精市に言ってもらえたら安心する」

相手に見えもしないのにへらりと笑って言えば、『名保、今笑ってるだろ』なんて見透かすような言葉が飛んできて、また笑った。
同じようにあたしも、今精市が笑ってるのがわかるから。

『次会ったとき、名保の腕が鈍ってないことを祈るよ』
「環境の所為にしないようにあたしも頑張る！精市たちばっかり強くなるなんて、悔しいし！」
『じゃあ、柳にトレーニングメニューでも作ってもらおうか。もちろん、俺と真田からも注文つけるけど』
「う、ううー……あい、ありがたーく受け取りますうー。つらいのわかっててもほんとに為になるのもわかってるから断れないってのよ…」
『あはは！そうだよ、名保だけの特別メニューなんだから、サボったりしたら、ね？』

その、何とも言わずに『ね？』だけで振られるのが何よりも一番怖い。
今まで経験してきた数々のアレコレが瞬時に脳を過って口元をひきつらせていく。
多分精市は、言葉のそういう使い方が無駄にうまいから、皆まで言わずに人を制するのに長けてしまったんだと思う。
精市自身のカリスマとかオーラとか、そういのもあってこそだと思うけど。

「じゃあ、次会うときは試合してよ？」
『俺をその気にさせられたらね』
「それはこっちのセリフ！あたしの本気、引きずり出して見せてよね！」

お互いに言い合って笑って、あたしは携帯を閉じた。
もう過去になってしまった、神奈川での生活がふと過る。
毎日毎日テニスばっかりだったあの日々を、あたしはこの新天地でも作ってみせる。
さっそく、明日からの学校に備えて通学カバンに教科書を詰め込んだ。

今日は行って良かった。
転入生は入学式がないけど、新入生と同じ日に校内案内や規則説明などがあるからって、面倒だなあと思いつつも登校した。
渡された部活動紹介冊子の中に女テニがなくてびっくりしたし焦ったしなんか腹も立ったけど、テニス部は悪くなかったし、強い人もいる。
明日からが楽しみだ。
一通りの準備を終えて、あたしは布団にもぐりこんだ。








C


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最後に説明をねじ込む勇気
特に何も考えちゃいなんですけど(連載的なこと)、幸村は出したかったので
白石相手と銘打ってみたけど、わたしのなかのツートップが幸村と白石なので、多分幸村もちょくちょく出ますね
脳内では分離もいいなと思ってはいるけど、まあ、そこまで続く予感はしていないwww