傾向
管理人の嗜好の傾向。
[CP]
・主人公は基本右。
・リバは基本的にナシ。
・公式イケメンは基本左。
・受けキャラ至上主義。
・受けキャラがいればあとはなんでもいい。
・かっこいくてもかわいい。
・かわいくてもかっこいい。
・お兄ちゃん/ギャップ萌え属性
・女の子/NLCPもすき。
-----------------------------------
・テニス(幸村くん中心)
仁幸(仁)、282、白幸、柳幸
跡幸など幸村右と、リョマ右も
・イナイレ(円堂さん右)
ブレイク、海外、バンガゼ
円春・ウル円
・FF7(クラウド右)
セフィクラ至上
・ハルヒ(キョン右)
古キョン、会キョン
キョン長
[dream]
・男主and女主
・恋愛≦仲間・友情
-----------------------------------
(ただ今の萌え)
・片倉小十郎(BSR)
伊達正宗(BSR)
松永久秀(BSR)
・幸村精市(TNS)
白石蔵ノ介(TNS)
・クロロ(H×H)
なんか趣味がばれる…
夢は読むのと書くのではジャンルに差異あり
[CP]
・主人公は基本右。
・リバは基本的にナシ。
・公式イケメンは基本左。
・受けキャラ至上主義。
・受けキャラがいればあとはなんでもいい。
・かっこいくてもかわいい。
・かわいくてもかっこいい。
・お兄ちゃん/ギャップ萌え属性
・女の子/NLCPもすき。
-----------------------------------
・テニス(幸村くん中心)
仁幸(仁)、282、白幸、柳幸
跡幸など幸村右と、リョマ右も
・イナイレ(円堂さん右)
ブレイク、海外、バンガゼ
円春・ウル円
・FF7(クラウド右)
セフィクラ至上
・ハルヒ(キョン右)
古キョン、会キョン
キョン長
[dream]
・男主and女主
・恋愛≦仲間・友情
-----------------------------------
(ただ今の萌え)
・片倉小十郎(BSR)
伊達正宗(BSR)
松永久秀(BSR)
・幸村精市(TNS)
白石蔵ノ介(TNS)
・クロロ(H×H)
なんか趣味がばれる…
夢は読むのと書くのではジャンルに差異あり
dream menu
[Dream Menu]
メモ段階のようなものなので、いずれも名前変換に未対応。
一定以上溜まったらなんとかするかと…今は未定。
←↑古 新↓→
※BASARA作品について※
1、2英雄外伝、3宴のみプレイ済
他はプレイ予定ありません。3キャラは出る場合が無きにしも非ず、ですが3のストーリーに関することは無視する可能性高いです。武将について――特に伊達家については様々捏造しておりますので、史実が好き、捏造嫌いな方は読まずにお帰り下さい。
ちなみにアニメも映画も未視聴。基本的に英雄外伝のみで稼働してます。
※テニス作品について※
資料は20.5/40.5巻のみ、知識穴だらけです。
妄想や捏造、原作との相違をスルーできない方は閲覧をお控えください。
各話タイトルオンマウスで説明有
■男主人公
・戦国BASARA
「双竜と鳳雛」
[成長編] 01/02/03/04/05/…
[幼少編] 01/02/03/04(sss)/…
[番外編・梟と鳳雛] 01/…
・Hunter×Hunter
「愛本家と蜘蛛」
01/02/03/…
・One Piece
「夕暮」
01/…
・Whithle!
「青風」
01/…
・Lucky Dog 1
「黒猫ちゃん」
01/02/…
■女主人公
・戦国BASARA
「お嫁様」
「愛姫」
01/…
「家族シリーズ」
さみしがりな君へ5のお題(幼少期)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
夜露に濡れた仔猫(元就)
怖がらないで、甘えてごらん(佐助)
放っておけない(政宗)
躊躇いは捨てろ(小十郎)
いつでも近くにいるよ(幸村)
・The Prince of Tennis
「青い道」
01/1.5/02/03/04/4.5/05/5.5/06/
6.5/07/08/09/10/…
「立海大家族!」
設定とsss/病気の話/…
「学校の怪談」
01/…
「チェリー」
01/…
「彼と彼と彼女の話」
01/02/…
「たまごの中の愛の色(仮題)」
01/02/03/04/05/06/6.5/07/…
■短編(男女混合/オンマウスで説明)
・戦国BASARA
戦国時代10題
[配布元:沈黙夜宮(ttp://karis.obihimo.com/c/)]
血生臭い夕焼けの戦場を駆けて行く
可憐なる姫よ、戦に出でよ
我が屍の先に天下があるのならば、越えて行け
華の武将に影の忍
・The Prince of Tennis
たったひとつのその椅子に、
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「そろそろ、機嫌を直してくれないか」
[オムニバス形式短編集]
もういい加減
その他メモ記事
Title/お嫁様メモ/夢設定/双竜ネタメモ/OPメモ
メモ段階のようなものなので、いずれも名前変換に未対応。
一定以上溜まったらなんとかするかと…今は未定。
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※BASARA作品について※
1、2英雄外伝、3宴のみプレイ済
他はプレイ予定ありません。3キャラは出る場合が無きにしも非ず、ですが3のストーリーに関することは無視する可能性高いです。武将について――特に伊達家については様々捏造しておりますので、史実が好き、捏造嫌いな方は読まずにお帰り下さい。
ちなみにアニメも映画も未視聴。基本的に英雄外伝のみで稼働してます。
※テニス作品について※
資料は20.5/40.5巻のみ、知識穴だらけです。
妄想や捏造、原作との相違をスルーできない方は閲覧をお控えください。
各話タイトルオンマウスで説明有
■男主人公
・戦国BASARA
「双竜と鳳雛」
[成長編] 01/02/03/04/05/…
[幼少編] 01/02/03/04(sss)/…
[番外編・梟と鳳雛] 01/…
・Hunter×Hunter
「愛本家と蜘蛛」
01/02/03/…
・One Piece
「夕暮」
01/…
・Whithle!
「青風」
01/…
・Lucky Dog 1
「黒猫ちゃん」
01/02/…
■女主人公
・戦国BASARA
「お嫁様」
「愛姫」
01/…
「家族シリーズ」
さみしがりな君へ5のお題(幼少期)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
夜露に濡れた仔猫(元就)
怖がらないで、甘えてごらん(佐助)
放っておけない(政宗)
躊躇いは捨てろ(小十郎)
いつでも近くにいるよ(幸村)
・The Prince of Tennis
「青い道」
01/1.5/02/03/04/4.5/05/5.5/06/
6.5/07/08/09/10/…
「立海大家族!」
設定とsss/病気の話/…
「学校の怪談」
01/…
「チェリー」
01/…
「彼と彼と彼女の話」
01/02/…
「たまごの中の愛の色(仮題)」
01/02/03/04/05/06/6.5/07/…
■短編(男女混合/オンマウスで説明)
・戦国BASARA
戦国時代10題
[配布元:沈黙夜宮(ttp://karis.obihimo.com/c/)]
血生臭い夕焼けの戦場を駆けて行く
可憐なる姫よ、戦に出でよ
我が屍の先に天下があるのならば、越えて行け
華の武将に影の忍
・The Prince of Tennis
たったひとつのその椅子に、
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「そろそろ、機嫌を直してくれないか」
[オムニバス形式短編集]
もういい加減
その他メモ記事
Title/お嫁様メモ/夢設定/双竜ネタメモ/OPメモ
CP story
[CP story Menu]
CP要素のあるSSはこちら。
基本的に男×男のCPしかありません。
←↑古 新↓→
※テニス作品について※
資料が20.5/40.5巻のみなので、原作と相違する点が多々あるかと思いますが、それをご了承いただける方のみご覧ください。
捏造や妄想が苦手な方には全く向いておりません。
タイトルオンマウスで簡単に説明
■The Prince of Tennis
・幸村くんと仁王(仁幸仁)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
即物的恋愛十題
「珍獣の飼い方10の基本」
まずはかわいがってきにいってもらいましょう
とてもきちょうで、めったにてにはいりません
かわったものにきょうみをもちます
だっそうにきをつけましょう
さびしがらせてはいけません
かまいすぎるのはあまりよくありません
おこらせるとおもわぬはんげきをうけます
かいぬしのへんかにびんかんです
きほんてきにマイペースです
ていきてきにけづくろいをしてあげましょう
・幸村くんとみんな
「果てなき世界と果てなき僕ら」
支部連絡会編
01/02/03/…
[短編]
・幸村くんと仁王(仁幸二)
[title by Discolo(ttp://discolo.tuzikaze.com/)]
この手には微かでも確かな温もり
・他幸村くん受けとか
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「僕がいなきゃ駄目だって、気にさせるんですよ」
■涼宮ハルヒ[凍結]
・古キョン
スレてる3年前古泉と現代キョンくん 01/02…
エイプリルフール
さくらんぼのへた
りんご飴 01/02/03…
安眠と羊?
父と子 01/02…
きょうだい
プレゼント
他お蔵入り1
CP要素のあるSSはこちら。
基本的に男×男のCPしかありません。
←↑古 新↓→
※テニス作品について※
資料が20.5/40.5巻のみなので、原作と相違する点が多々あるかと思いますが、それをご了承いただける方のみご覧ください。
捏造や妄想が苦手な方には全く向いておりません。
タイトルオンマウスで簡単に説明
■The Prince of Tennis
・幸村くんと仁王(仁幸仁)
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
即物的恋愛十題
「珍獣の飼い方10の基本」
まずはかわいがってきにいってもらいましょう
とてもきちょうで、めったにてにはいりません
かわったものにきょうみをもちます
だっそうにきをつけましょう
さびしがらせてはいけません
かまいすぎるのはあまりよくありません
おこらせるとおもわぬはんげきをうけます
かいぬしのへんかにびんかんです
きほんてきにマイペースです
ていきてきにけづくろいをしてあげましょう
・幸村くんとみんな
「果てなき世界と果てなき僕ら」
支部連絡会編
01/02/03/…
[短編]
・幸村くんと仁王(仁幸二)
[title by Discolo(ttp://discolo.tuzikaze.com/)]
この手には微かでも確かな温もり
・他幸村くん受けとか
[選択課題・恋する台詞]
[配布元:rewrite(ttp://lonelylion.nobody.jp/)]
「僕がいなきゃ駄目だって、気にさせるんですよ」
■涼宮ハルヒ[凍結]
・古キョン
スレてる3年前古泉と現代キョンくん 01/02…
エイプリルフール
さくらんぼのへた
りんご飴 01/02/03…
安眠と羊?
父と子 01/02…
きょうだい
プレゼント
他お蔵入り1
女性向けブログサイトです。(詳細はABOUTにて)
2011/11/30 (Wed)
深夜のはあはあは危険ですね
やっぱり思いついてすぐとかだとあれだ、手が早い(語弊)
免許の更新ってどうしてこう、10時台にできねーのか…いいや、午後のに行こう…
つづきは双竜、その番外編…←
*双竜の番外編
*3歳の頃の出来事です
*タイトルでモロバレ…そして続くようだ(首絞めた)
それは、小十郎が実家を出て城勤めをはじめた、すぐの頃の話。
梟と鳳雛 01 ~双竜 番外編~
その日若雪丸は、境内の掃除の手伝いを終えてから、ひとりで裏山へと出かけていた。
まだ三つの若雪丸にできる仕事などたかが知れているため、簡単な拭き掃除が終わってしまえばあとは特に用事もなく、暇をつぶすようにして若雪丸はひたすら書物を読み漁っていた。
それは“この世界”を知るための情報収集でもあり、単にもともとの読書好きが高じて、でもあった。
とはいえ最初は、現代の楷書とは違いすぎる崩し字に四苦八苦し、今でも癖のある字は矯めつ眇めつしながらなんとか読み解いているような状態で、一冊読むのにも相当の時間がかかるのだが、子どもの若雪丸には時間だけは売るほどあって丁度いい。
本来ならばまだ本を読むような年齢ではないのだが、そこは精神年齢がチートな若雪丸、子どもらしい遊びや玩具に興味を持てるはずもなく、己の言動が大人に奇異の目で見られていることを知ってはいても、素直に子どもでいることなどできなかった。
そうして読書が日課になりはしたものの、大人たちのいる場所で本を読むのも気が引け、最近では人があまり来ない裏山の少し開けた場所で過ごすようになっていた。
今日も今日とて開けた草原の中の桜の木の根元に腰を下ろし、若雪丸は持参した書物を広げた。
季節は春を少し過ぎた頃、桜はすでに葉桜となっていたが、日の光を受け止めてやわらかな木陰を提供してくれるこの木を若雪丸は気に入っていた。
いい天気に暖かな風、まさに読書日和だと自然と頬も緩む。
和綴じされた紙をめくり、ゆっくりと書かれている文字を追う。
基本的な字の読み方は小十郎がいる間に習っていたから、あとは見慣れない文字を記憶の中の文字と照合したり前後の文脈から想像したりして読み進めていく。
小十郎が居た頃は字を追いながら音読してもらっていたので理解も早かったな、と頭の隅で思うも、思ったところで仕方がないし、こうやって考えながら読むのも面白いと思っているのだから構わない。
小十郎以外は誰も、そうやって若雪丸に付き合う者が居ないのは、寂しいながらも現実だ。
それでもやっぱり若雪丸は「仕方ない」としか言えないのだけれど。
そうして、ひとりで黙々と読書をしていた若雪丸は、己を見つめる人物がいることに気付いていなかった。
「読書が好きなのかね?」
「!」
突然、近い場所から話しかけられて、若雪丸は思いきり肩を揺らした。
驚きのまま声の方へ顔を向けると、父ほどの年齢の男性が優雅に佇んでいた。
その立ち姿は一見して町人やましてや農民になど見えず、武家、それもかなり格式高いお武家様だと知れた。
白と黒の着物を纏い、長めの刀を日本腰に佩いている。
細めた瞳は優しげな雰囲気を作っているが、どこか得体のしれない雰囲気が滲み出ていて、若雪丸は無意識に僅かながら尻をずらして男から距離を取った。
そんな若雪丸の様子にさらに目を細めてから、やけにゆったりと、男は若雪丸の前に屈みこんだ。
「いや、これは失礼した。私は弾正。なに、怪しい者ではない、安心しなさい」
そんなことを初対面の男に言われて安心するはずもないだろ、と心の中だけで呟いて、若雪丸は疑わしそうに弾正と名乗った男を見つめた。
若雪丸は知っていた。
武家の男の名前は苗字、字、名の、三段構成になっていることを。
この男が己に対して偽名を用いていることを、すぐに悟った。
何の用だかはまったく見当もつかないが、あんまり好意的ではなさそうだ、どうしよう。
まだ三歳の幼い体ではどうあがいてもこの男から逃れることはできない、それは火を見るよりも明らかだ。
ならば、なんとか諦めてもらうしかない、言葉で。
若雪丸はその場に立ち上がって、弾正を見下ろし、ようやく口を開いた。
「…ええと、だんじょうさま。あんしんは、できないです。おれに、なにか、ごようですか?」
手にした書物を胸に抱えてあからさまに警戒している様子の若雪丸に、弾正はふむ、と顎をさすった。
「いやなに、散歩ついでにこの辺りで噂の“神童”とやらを一目見てみようと思ったのだよ。気を悪くしたのならすまないね。何分気軽に名を告げられるような身分でもないのでね」
若雪丸が己のどの部分に不審を感じたのかを察したのか、弾正は微笑みを浮かべた顔でさらりと告げた。
そのうえで、本名を名乗れない理由まで述べるのだから、若雪丸はぐぐっと眉間に皺を寄せて黙り込んだ。
不審の芽を摘まれたこともそうだが、若雪丸はなにより“神童”という言葉に反応した。
度々、噂を聞きつけた輩が面白半分に若雪丸を見に来ることがあり、その大半が珍獣でも見るように、お世辞にも好意的とは呼べない態度でもって接してきていた。
この男もその類か、とため息を吐きたくなるのをなんとか押しとどめ、若雪丸はすとんとその場に腰を下ろした。
「おや、逃げたりはしないのかね?」
「おれでは、はしったところで、あなたからにげきれるとも、おもいませんし、ようがあると、いうのなら、すませていただいたほうが、はやいでしょう」
「くっく、やはりただの子どもというわけではなさそうだ」
舌足らずながらも必死に言葉を紡いだ若雪丸に、弾正は楽しげに喉を鳴らしてから刀を腰から外して若雪丸の隣に腰掛けた。
弾正の行動に驚いたのは若雪丸で、今まで“神童”や“鬼子”を見に来た者たちはそのほとんどが、若雪丸に近づくことも触れることもしなかった。
驚いて、ついきょとんと弾正を見上げれば、口の端を吊り上げた弾正が静かに若雪丸を見下ろしていた。
やはりどこか得体のしれない感じはするのだが、それはすでに若雪丸の中で、嫌悪ではなくなっていた。
「卿は字が読めないのかね?」
弾正の、言葉にも驚いた。
今まで、読めることを尋ねられることはあっても、読めないことを尋ねられることなどなかったのに。
この弾正という男は、とても変わっているのかもしれない、と内心で若雪丸は呟いた。
「かんたんなのなら、よめます。でも…かんじはまだ、ぜんぶはわかんないので…」
「ふむ、しかし字を知らないわけではなさそうだがね」
「え…」
「字体に慣れていない、そのように、私には思えてならないのだよ。失礼とは思ったがね、卿がそれを読んでいるところを暫し眺めさせて貰っていたのだ。――まるで、走り書きをして読みにくくなった文字を解読しているように、ね、見えたのだ」
ごくり。
若雪丸は音を立てて唾を飲み込んだ。
同時に、ざっと血の気が引くような感覚がして、思わず書物をぎゅっと抱きしめてしまった。
書物に皺がついてしまうと頭の片隅で思うも、弾正の見透かすような視線が怖くて、竦んでしまった体は動かない。
(ばれた…?いや、漢字を多少知っているだけの博識な子ども、くらいにしか思っていないはずだ、子どもの体に大人の精神が入ってるなんてそんなこと、そう簡単に思いつきもしないはず)
早鐘を打つ心臓を抑え込むようにそうぐるぐると頭を悩ませても、弾正の瞳がまるで、若雪丸の中にいる大人の“若雪丸”を見ているような気がして、ひどく落ち着かない。
どうしよう、そればっかりが頭の中を埋め尽くしていく。
そんな若雪丸をどう見たのか、ふいに、弾正の瞳がその強さを隠して、今度は面白そうに細められた。
「卿は面白いな。ちぐはぐな心と体を持て余していながら、その性質はどこまでも透明で美しい。まるでこの世のものではないような、透明さだ。この世にあって、これほどに血腥い匂いのしないものは終ぞ見たことはない」
静かに伸びてきた指先が、短く切りそろえられた髪に触れ、流れでそのまま耳に触れる。
若雪丸は、弾正の言葉に動けなくなった。
弾正の紡ぐ言葉はその意味を正確に若雪丸に伝えはしない。
それなのに、ひどくやわらかく、心の深い部分に突き立った。
どうしてこんなに気にかかってしまうのかはわからない。
けれども、反響するように耳に響いた声は、忘れられそうにない、と思わせた。
「さて、読書の邪魔をしてしまったようだから、私はそろそろ退散するとしよう。…明日は雨が降る。卿も早く帰りたまえ」
それだけを告げると、弾正は座った時と同じように静かに、そして優雅に立ち上がって、もう一度若雪丸を見下ろした。
予感が若雪丸の鼓膜を打つ。
きっと、この邂逅は一度だけではない。
良い縁か悪い縁かなど今は判断することなどできないが、ただ、弾正と若雪丸には縁が結ばれた。
ただその事実だけが、見えない糸としてふたりを繋いでいた。
「次に会うことがあれば、今度は私が字を教えてあげよう。――それではな、鳳雛」
鳳凰の雛――傑物の種、と若雪丸を呼び、弾正は音を感じさせないような静かな歩みで去っていった。
木漏れ日の下、ただ若雪丸だけが、夢から覚めた後のように呆然と、そこに残された。
これが、後の片倉辰生と、乱世の梟雄・松永久秀の出会いとなった。
縁とは、複雑な曲線を描いて絡まり合うもの。
この縁が若雪丸に与えるものなど、本人以外に知る者はいない。
------------------------------------------------------
さて、久秀と実はであってるんですよ、という番外
これはちょこちょこ挟んでいきたいと思ってます
ただ、好きだけとまだまだ久秀を掴み切れていないので、偽物警報発令中すぎて←
これがのちのち、人取橋あたりで生きてくるといいな、という伏線、と言えるのかもわかんないアレです
やっぱり思いついてすぐとかだとあれだ、手が早い(語弊)
免許の更新ってどうしてこう、10時台にできねーのか…いいや、午後のに行こう…
つづきは双竜、その番外編…←
*双竜の番外編
*3歳の頃の出来事です
*タイトルでモロバレ…そして続くようだ(首絞めた)
それは、小十郎が実家を出て城勤めをはじめた、すぐの頃の話。
梟と鳳雛 01 ~双竜 番外編~
その日若雪丸は、境内の掃除の手伝いを終えてから、ひとりで裏山へと出かけていた。
まだ三つの若雪丸にできる仕事などたかが知れているため、簡単な拭き掃除が終わってしまえばあとは特に用事もなく、暇をつぶすようにして若雪丸はひたすら書物を読み漁っていた。
それは“この世界”を知るための情報収集でもあり、単にもともとの読書好きが高じて、でもあった。
とはいえ最初は、現代の楷書とは違いすぎる崩し字に四苦八苦し、今でも癖のある字は矯めつ眇めつしながらなんとか読み解いているような状態で、一冊読むのにも相当の時間がかかるのだが、子どもの若雪丸には時間だけは売るほどあって丁度いい。
本来ならばまだ本を読むような年齢ではないのだが、そこは精神年齢がチートな若雪丸、子どもらしい遊びや玩具に興味を持てるはずもなく、己の言動が大人に奇異の目で見られていることを知ってはいても、素直に子どもでいることなどできなかった。
そうして読書が日課になりはしたものの、大人たちのいる場所で本を読むのも気が引け、最近では人があまり来ない裏山の少し開けた場所で過ごすようになっていた。
今日も今日とて開けた草原の中の桜の木の根元に腰を下ろし、若雪丸は持参した書物を広げた。
季節は春を少し過ぎた頃、桜はすでに葉桜となっていたが、日の光を受け止めてやわらかな木陰を提供してくれるこの木を若雪丸は気に入っていた。
いい天気に暖かな風、まさに読書日和だと自然と頬も緩む。
和綴じされた紙をめくり、ゆっくりと書かれている文字を追う。
基本的な字の読み方は小十郎がいる間に習っていたから、あとは見慣れない文字を記憶の中の文字と照合したり前後の文脈から想像したりして読み進めていく。
小十郎が居た頃は字を追いながら音読してもらっていたので理解も早かったな、と頭の隅で思うも、思ったところで仕方がないし、こうやって考えながら読むのも面白いと思っているのだから構わない。
小十郎以外は誰も、そうやって若雪丸に付き合う者が居ないのは、寂しいながらも現実だ。
それでもやっぱり若雪丸は「仕方ない」としか言えないのだけれど。
そうして、ひとりで黙々と読書をしていた若雪丸は、己を見つめる人物がいることに気付いていなかった。
「読書が好きなのかね?」
「!」
突然、近い場所から話しかけられて、若雪丸は思いきり肩を揺らした。
驚きのまま声の方へ顔を向けると、父ほどの年齢の男性が優雅に佇んでいた。
その立ち姿は一見して町人やましてや農民になど見えず、武家、それもかなり格式高いお武家様だと知れた。
白と黒の着物を纏い、長めの刀を日本腰に佩いている。
細めた瞳は優しげな雰囲気を作っているが、どこか得体のしれない雰囲気が滲み出ていて、若雪丸は無意識に僅かながら尻をずらして男から距離を取った。
そんな若雪丸の様子にさらに目を細めてから、やけにゆったりと、男は若雪丸の前に屈みこんだ。
「いや、これは失礼した。私は弾正。なに、怪しい者ではない、安心しなさい」
そんなことを初対面の男に言われて安心するはずもないだろ、と心の中だけで呟いて、若雪丸は疑わしそうに弾正と名乗った男を見つめた。
若雪丸は知っていた。
武家の男の名前は苗字、字、名の、三段構成になっていることを。
この男が己に対して偽名を用いていることを、すぐに悟った。
何の用だかはまったく見当もつかないが、あんまり好意的ではなさそうだ、どうしよう。
まだ三歳の幼い体ではどうあがいてもこの男から逃れることはできない、それは火を見るよりも明らかだ。
ならば、なんとか諦めてもらうしかない、言葉で。
若雪丸はその場に立ち上がって、弾正を見下ろし、ようやく口を開いた。
「…ええと、だんじょうさま。あんしんは、できないです。おれに、なにか、ごようですか?」
手にした書物を胸に抱えてあからさまに警戒している様子の若雪丸に、弾正はふむ、と顎をさすった。
「いやなに、散歩ついでにこの辺りで噂の“神童”とやらを一目見てみようと思ったのだよ。気を悪くしたのならすまないね。何分気軽に名を告げられるような身分でもないのでね」
若雪丸が己のどの部分に不審を感じたのかを察したのか、弾正は微笑みを浮かべた顔でさらりと告げた。
そのうえで、本名を名乗れない理由まで述べるのだから、若雪丸はぐぐっと眉間に皺を寄せて黙り込んだ。
不審の芽を摘まれたこともそうだが、若雪丸はなにより“神童”という言葉に反応した。
度々、噂を聞きつけた輩が面白半分に若雪丸を見に来ることがあり、その大半が珍獣でも見るように、お世辞にも好意的とは呼べない態度でもって接してきていた。
この男もその類か、とため息を吐きたくなるのをなんとか押しとどめ、若雪丸はすとんとその場に腰を下ろした。
「おや、逃げたりはしないのかね?」
「おれでは、はしったところで、あなたからにげきれるとも、おもいませんし、ようがあると、いうのなら、すませていただいたほうが、はやいでしょう」
「くっく、やはりただの子どもというわけではなさそうだ」
舌足らずながらも必死に言葉を紡いだ若雪丸に、弾正は楽しげに喉を鳴らしてから刀を腰から外して若雪丸の隣に腰掛けた。
弾正の行動に驚いたのは若雪丸で、今まで“神童”や“鬼子”を見に来た者たちはそのほとんどが、若雪丸に近づくことも触れることもしなかった。
驚いて、ついきょとんと弾正を見上げれば、口の端を吊り上げた弾正が静かに若雪丸を見下ろしていた。
やはりどこか得体のしれない感じはするのだが、それはすでに若雪丸の中で、嫌悪ではなくなっていた。
「卿は字が読めないのかね?」
弾正の、言葉にも驚いた。
今まで、読めることを尋ねられることはあっても、読めないことを尋ねられることなどなかったのに。
この弾正という男は、とても変わっているのかもしれない、と内心で若雪丸は呟いた。
「かんたんなのなら、よめます。でも…かんじはまだ、ぜんぶはわかんないので…」
「ふむ、しかし字を知らないわけではなさそうだがね」
「え…」
「字体に慣れていない、そのように、私には思えてならないのだよ。失礼とは思ったがね、卿がそれを読んでいるところを暫し眺めさせて貰っていたのだ。――まるで、走り書きをして読みにくくなった文字を解読しているように、ね、見えたのだ」
ごくり。
若雪丸は音を立てて唾を飲み込んだ。
同時に、ざっと血の気が引くような感覚がして、思わず書物をぎゅっと抱きしめてしまった。
書物に皺がついてしまうと頭の片隅で思うも、弾正の見透かすような視線が怖くて、竦んでしまった体は動かない。
(ばれた…?いや、漢字を多少知っているだけの博識な子ども、くらいにしか思っていないはずだ、子どもの体に大人の精神が入ってるなんてそんなこと、そう簡単に思いつきもしないはず)
早鐘を打つ心臓を抑え込むようにそうぐるぐると頭を悩ませても、弾正の瞳がまるで、若雪丸の中にいる大人の“若雪丸”を見ているような気がして、ひどく落ち着かない。
どうしよう、そればっかりが頭の中を埋め尽くしていく。
そんな若雪丸をどう見たのか、ふいに、弾正の瞳がその強さを隠して、今度は面白そうに細められた。
「卿は面白いな。ちぐはぐな心と体を持て余していながら、その性質はどこまでも透明で美しい。まるでこの世のものではないような、透明さだ。この世にあって、これほどに血腥い匂いのしないものは終ぞ見たことはない」
静かに伸びてきた指先が、短く切りそろえられた髪に触れ、流れでそのまま耳に触れる。
若雪丸は、弾正の言葉に動けなくなった。
弾正の紡ぐ言葉はその意味を正確に若雪丸に伝えはしない。
それなのに、ひどくやわらかく、心の深い部分に突き立った。
どうしてこんなに気にかかってしまうのかはわからない。
けれども、反響するように耳に響いた声は、忘れられそうにない、と思わせた。
「さて、読書の邪魔をしてしまったようだから、私はそろそろ退散するとしよう。…明日は雨が降る。卿も早く帰りたまえ」
それだけを告げると、弾正は座った時と同じように静かに、そして優雅に立ち上がって、もう一度若雪丸を見下ろした。
予感が若雪丸の鼓膜を打つ。
きっと、この邂逅は一度だけではない。
良い縁か悪い縁かなど今は判断することなどできないが、ただ、弾正と若雪丸には縁が結ばれた。
ただその事実だけが、見えない糸としてふたりを繋いでいた。
「次に会うことがあれば、今度は私が字を教えてあげよう。――それではな、鳳雛」
鳳凰の雛――傑物の種、と若雪丸を呼び、弾正は音を感じさせないような静かな歩みで去っていった。
木漏れ日の下、ただ若雪丸だけが、夢から覚めた後のように呆然と、そこに残された。
これが、後の片倉辰生と、乱世の梟雄・松永久秀の出会いとなった。
縁とは、複雑な曲線を描いて絡まり合うもの。
この縁が若雪丸に与えるものなど、本人以外に知る者はいない。
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さて、久秀と実はであってるんですよ、という番外
これはちょこちょこ挟んでいきたいと思ってます
ただ、好きだけとまだまだ久秀を掴み切れていないので、偽物警報発令中すぎて←
これがのちのち、人取橋あたりで生きてくるといいな、という伏線、と言えるのかもわかんないアレです
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以上を踏まえての苦情等は節度を持って。感想等はひとことでも嬉しいです。
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